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disjunctiveさんのコメント: 点数順

★4探偵はBARにいる2 ススキノ大交差点(2013/日)性的マイノリティを喜劇的に扱う以外に方法を知らないような、この古めかしい世界観はどうかと思ったのだが、セクシャリティを器質的な生として扱いたかった結果だと判明する。 [review][投票(1)]
★4父、帰る(2003/露)青いレイアウト主義が、弟イワンの、オッサンの相貌を載せた少年の身体という生の迫力に破たんさせられつつも、この兄弟は父を最終的にはオブジェ化している。 [review][投票(1)]
★4メン・イン・ブラック3(2012/米)現代ジャンル映画の画面を構成する文法ではない。文体が然るべき画面を模索したとき、過去が構築されるのである。このグロテスクな間隙の寄る辺のなさが、トミー・リー・ジョーンズの佇まいに仮象のもの悲しさ与えている。 [投票(1)]
★4ブラック・ブレッド(2010/スペイン=仏)階級脱出を否定的に語る上に事件自体が超ドメスティックであるから、事件に由来する感傷に驕慢なものを覚えてしまう。庶民賛歌が強調されるほど、それに反比例して階級脱出への欲求が高まってしまう。 [review][投票(1)]
★4テイク・ディス・ワルツ(2011/カナダ)腐敗寸前の果実の蠱惑というべきか、ミシェル・ウィリアムズのタヌキ顔が、文系殺しの堂々たる相貌が、これなら文系はイチコロという不可思議な説得力で、紛うことなきハーレクインをただの不条理なハーレムにはしておかない。 [review][投票(1)]
★4ファウンダー ハンバーガー帝国のヒミツ(2016/米)マイケル・キートンのヒール映画、あるいはマクドナルド兄弟の悲劇とはとれない。むしろ兄弟の顛末は、マックを単なる飲食業ではなくひとつの文明だと感知できなかったペナルティだと解せてしまう。 [review][投票(1)]
★4友よ、静かに瞑れ(1985/日)作中唯一の常識人と目される六浦誠少年が実はキレているというか、自室に自分のポートレイトを飾るメンタリティが不可解で、六浦の色香に惑わされることで藤竜也のナルシシズムが幾分か減圧される一方、人間関係の言及に終始して事は滞留する。 [review][投票(1)]
★4崖っぷちの男(2012/米)大根演技の誤算なのか、不眠症のフワフワ演技なのか、はたまた単にやる気がないのか。エド・ハリスを筆頭に男優陣が力むほどに、エリザベス・バンクスの平常心が謎深くなる。 [review][投票(1)]
★4マッドマックス2(1981/豪)希少品の連なりが現象を物語として構造化する。オルゴールがフェラル・キッドの行動を誘導し、キャラが動くと今度は空間が構造化する。フェラル・キッドの抜け穴とオートジャイロがワームホールのように空間を穿ち何もない砂漠に立体を与える。 [review][投票(1)]
★4きみの鳥はうたえる(2018/日)柄本佑の遭難に顕著なように悪意は回収され、邪なものは哀れとして解釈しようと試みがなされ、各所で性格造形が受け手の好悪から中立化される。 [review][投票(1)]
★4ボヘミアン・ラプソディ(2018/英=米)ゲイの人々の正体を探り合うような間合いの計り方も上顎前突者の心理的な緩衝も、アナログのリニア機材のプリロールの間に包摂される。だからこそ、ライブエイドのデジタル丸出しの質感が演出の不在を訴えてくる。[投票(1)]
★4パンク侍、斬られて候(2018/日)ピカレスクを許容できない意匠は、社会時評を揶揄のかたちでどうしても叙述できない一方で、人間は説明できるという確信を充満させて不快な人物の不快な行為を次々と理由づける。 [review][投票(1)]
★4喜劇 女は度胸(1969/日)ミュージカルのようなすれ違いラブコメの切迫は欠いていて、しかし歌劇という体裁だけは筋とは無関係に渥美清によって繕われ、冗長が参与者の意思を統一しうる場だったと明らかになる。 [review][投票(1)]
★4やわらかい手(2007/ベルギー=ルクセンブルク=英=独=仏)何かが爆発することをキャスティングが明確に教えてくれるために、やつし事のような才能解放のタメ動作が好ましい焦らしとなり、それが社会時評の文法で捕捉されるので喜劇調も甚だしく、次々と手管にかかる男らの喘ぎ声もヒューモアに花を添える。 [review][投票(1)]
★4そこのみにて光輝く(2013/日)容姿に恵まれ甲斐性にも不足しない綾野と池脇には課題が薄く、早速つがいになってしまう件は自然の営み過ぎて喜劇のような風体である。菅田将暉が問題になるのだが、この人の陽気さも記号的なほど誇張されて人の好意を惹きすぎるために将来が明るく見える。 [review][投票(1)]
★4夏の終り(2012/日)三丁目の夕日の誇示を厭わない美術の迫力が江戸たてもの園のような箱庭の密閉感とガジェットの数々で以て、満島ひかりの性欲が自己劇化にしか見えないにもかかわらず、人々の人格が試されている感じを抽出する。 [review][投票(1)]
★4狩人(1977/仏=独=ギリシャ)社会時評のリアリズムがしばしば脱柵して、演者の驚くべき薄毛率として結実するうれしさ。オッサンの深夜徘徊と盆踊りのくせにそれなりの稽古量を予感させる体のキレが徹夜明けの疲弊からエレジーを蒸留すると、社会時評のバタ臭さが消臭される。[投票(1)]
★4阿修羅のごとく(2003/日)これを黒木瞳のアイドル映画にせずにはいられないある種の魔性が逆に深キョンについてはその容貌の野趣深さを際立て、アイドルを見出すべきところに見いだせない背徳に苛みがある。 [review][投票(1)]
★4山猫(1963/伊)舞踏会の各種イベントが人々を群体に落とし込むことで哀感を誕生させている。徹夜舞踏会の加虐に苛むランカスターにクラウディアの地中海性顔面をぶつける食傷の極みもかえって呼び塩となってランカスターを脱脂し、あろうことかそれを笠智衆化する。[投票(1)]
★4ヘアスプレー(2007/米)才能が人の美醜を超える好ましさと社会時評が相容れない。能力志向と差別是正の矛盾までは追及されず、ただミシェル・ファイファーの根性と恥辱が美的達成において突出してくる。[投票(1)]