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disjunctiveさんのコメント: 点数順

★3エクス・マキナ(2015/英)この文系キャバクラは、嬢への説教を全うできない点で乗れない。AIゆえの機微の読めなさが祟って、好意を確証したことを隠す意思がキャバ嬢にない。この段階で萎える。情報の出し入れが人間を誘導する基本であるはずなのに。 [review][投票(3)]
★3バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生(2016/米)自分が希少であることに由来する矜持が社会環境とリンクするために、社会や政治の表層をただ撫でるようなカジュアルさが個人的な倫理観の追求に遠心性をもたらしている。何が問題となっているのかよくわからないのである。 [review][投票(3)]
★3007 スペクター(2015/米=英)ボンドとボンドガールへの共感がなければアクションが緊張を醸しえない。ではかかる共感はいかにして獲得されるか。課題を抱えたボンドガールに対する人生相談という奉仕がそれにほかならない。 [review][投票(3)]
★3テッド(2012/米)笑いをもたらしうるような、社会経済のひずみを、これでもかと排除する無菌室のような話である。目指すところは、コメディではなく、ある種の理想郷の描画にあるのだろう。 [review][投票(3)]
★3パシフィック・リム(2013/米)この隊長の源氏物語には、トロの欲望亢進に構造的障害をもたらしている。トロの邪念は、芦田愛菜に鬼気迫る演技をもたらす一方、凛子にはまるで火がつかない。 [review][投票(3)]
★3猿の惑星 創世記(ジェネシス)(2011/米)ジョン・リスゴーおとんの急性アルジャーノンとも言うべき怪異なドタバタが、過程や脈略のなさをヒューモアへと昇華している。 [review][投票(3)]
★3シェルブールの雨傘(1964/仏)発話音節数の制約下に置かれ、自ずと絢爛にならざるを得ないキャラクターの身振りが受け手に好ましく強いるのは、心理の節度が常に危機にさらされているという緊張である。エレン・ファルナーのいかにも俺好みな陰翳もこのストレスの反映である。[投票(3)]
★3ソーシャル・ネットワーク(2010/米)プロジェクトや感情移入のきっかけとなるスケベゴコロが、スクールカーストをベースにした説明台詞を出ず、過程という概念も乏しい。物語の目論見としてはスケベゴコロの実体化に関心が向かったようで、真顔で鼻の下が延びる一発芸に帰結。これは見事。[投票(3)]
★3十三人の刺客(2010/日)救われるべき迷羊の要件を備えるバカ殿に比べ、美意識の資力や当事者性が攻め手には貧しい。その焦りの裏返しで、役所の口から職業的美意識が頻繁に解説されるが、苛烈な行動で造形を表現するバカ殿に及ぶとは思えず、火工品の迫力に甘えている印象がある。[投票(3)]
★3北国の帝王(1973/米)本当に下らない映画で、なぜこの老人たちがこんな価値のないことをめぐって憎み合い殺し合うのか、その動機のなさに唖然としつつも、不可解だからこそ感動を煽られる面もある。貨車の屋根をコロコロと進むアーネストのメタボ体の画面映えが激しい。 [review][投票(3)]
★3おとうと(2009/日)披露宴における業者の危機管理は頂けないし、医療従事者への蔑視と加瀬亮を讃える庶民主義も冷酷。しかし否定された技術職の冷淡さが、死神のように場慣れした小日向&石田夫婦のいささか猟奇的な迫力に昇華されたとき、映画は世間の価値観を超える。 [review][投票(3)]
★3スラムドッグ$ミリオネア(2008/英)ツーリズム以外に、出題の幅にともなって分化したエピソードをまとめるものに欠けがち。兄貴の心理は追いきれず、負い目と外貌以外にラティカの魅力を語るものもないから、ジャミールの執着が記号的に見えてしまう。[投票(3)]
★3叫(2006/日)如何にもすぎて一見のところ俗物趣味な風景もセットも、イヤらしさが高じてコントの感受性と近似するとき、そこになぜか品位と普遍性が誕生してしまう。むろん、いつものパターンではあるが。[投票(3)]
★3アパートの鍵貸します(1960/米)恋愛のお手軽感が男の成長と拮抗。 [review][投票(3)]
★3野菊の如き君なりき(1955/日)笠智衆の「はかないもんですなあ」でうっとりモード。が、稲作文明の温潤な陰湿感が恐怖映画を謳いはじめると、儚げな回想フィルターが頸部を圧迫する真綿のように思われてくる。[投票(3)]
★3カポーティ(2006/米=カナダ)人との比較で奇抜さを表現するのはたやすいが、一人っきりで居るとむつかしい。だから、書斎でちょこっと座ってるシーモアは気まずいし、その焦りがまたラヴラヴ過ぎて辛抱たまらんものもある。[投票(3)]
★3眠狂四郎勝負(1964/日)俺様の加藤嘉が幸福になりますように、間違っても落命しませんように、とドキドキしながらも、何となく須賀不二男の「ふふふ」笑いの虜にもなってしまう三隅研次のprofoundな語り口。[投票(3)]
★3ガンパウダー・ミルクシェイク(2021/仏=独=米)女権に下駄を履かせる便利図書館と非武装ダイナーは集団的母性で子どもたちを拘引する。3世代に渡る犯罪者の再生産は孤立する父権による相対化を一蹴して児相案件の範疇を越えていく[投票(2)]
★3ロング・ライダーズ(1980/米)ローカリズムを義賊行為の根拠にした強盗団を退治するのはブルーステートのそれである。この無思想はスロー濫用のヒロイズムを動物ドキュメンタリーの無感動で眺めながら、強盗の傍らで幾度も繰り返される男たちの求愛アピールに気まずさを効かせる。 [review][投票(2)]
★3女囚701号 さそり(1972/日)冒頭の川辺と経血に独房の漏水。これは本来タルコフスキーに近い代物と思われるが、東映東京というシステムは怪奇のフォーマットで対応する以外に術を知らない。 [review][投票(2)]