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disjunctiveさんのコメント: 投票数順

★4ウォール街(1987/米)思想の対立項にもかかわらずマイケル・ダグラスとマーティン・シーンが表象においては概して類似の挙動を来してしまう。ハル・ホルブルックにして然りで、描き分けが金融オッサンという共通属性を超えられない。 [review][投票(2)]
★3ハクソー・リッジ(2016/豪=米)痴性を聖化する営みが保守的な政治観と連携している。フォレスト・ガンプ的であり、聖化がスコケマシに派生するように、具体的な状況設定にも共通するものがある。 [review][投票(2)]
★3LOGAN ローガン(2017/米)子の逞しさが父性の目覚めの障害となる。子どもはすでに自律していて、父親を必要としていない。代わりに老人に必要とされても詮方なく、しかも二重遭難になってしまう。 [review][投票(2)]
★3午後8時の訪問者(2016/ベルギー=仏)発端となったイベントが、素人捜査に駆り立てるほどの罪悪感をもたらし得るものだったのかどうか。その心もとなさが、出来の悪い火サスのような行動の飛躍をもたらしかねない。 [review][投票(2)]
★4ザ・コンサルタント(2016/米)会議室に入ったら、後輩女難のアイコン、アナ・ケンドリックが寝ている。男子の夢と浪漫で充溢したキャンピングトレーラーで永遠の時を過ごしたい身には、こんな恐怖はない。 [review][投票(2)]
★4ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー(2016/米)70年代の想定したコテコテ未来美術を21世紀が追憶する倒錯の苦悶が、勇気が死生観のジャンル的な軽さにしかならない隔靴掻痒と軌を一にしている。 [review][投票(2)]
★3ヴィンセントが教えてくれたこと(2014/米)介護施設の支払いが滞留したら即退場で自身の借金すら卒中で帳消しになる。多段式ロケットのような捨て身の迫力である。 [review][投票(2)]
★4家族の灯り(2012/仏)義父物の様式によって充足される老人の性欲が、状況を空転させ戯画化しようとする静物の働きによって相対化される。 [review][投票(2)]
★3山河ノスタルジア(2015/中国=日=仏)軽飛行機とダイナマイト。字面だけで楽しいこの見世物小屋精神が人の決断の瞬間を隠ぺいすることで選択を説得的にしてしまい、アレゴリーという知性に至る。 [review][投票(2)]
★3悪童日記(2013/独=ハンガリー)架空の舞台を裏打ちするべく凝縮された美術が物語の背景として定着せず分離している。人々の動機となる生活の艱難が豊饒な画面からは実感できず、もっぱら困難は言葉で説明されている。 [review][投票(2)]
★3FAKE(2016/日)神山典士の受賞パーティーもサイン会の現場も突撃してくる森達也を受容できてしまう。わたしはこの平和な感じが好きなのだが、業界人が馴れ合うさまは被写体の男を疎外して異邦人にする。 [review][投票(2)]
★4ハドソン川の奇跡(2016/米)職業病というべきトラウマと失業の恐怖をブースターにした老人の譫妄が見せ物にはなっているものの、劇全体におけるこれらの役割が見えてこないために不可解でもある。 [review][投票(2)]
★4ほとりの朔子(2013/日=米)オッサン向け昼メロというべきハーレム状態を二階堂ふみが観測することで中庸を得ているように見えるのだが、それはタカシくんのアレもアレだらうと思わせる罪深い誤誘導であった。 [review][投票(2)]
★4トム・アット・ザ・ファーム(2013/カナダ=仏)被った屈辱がセクシャリティの一環として解釈し直されると屈辱が消えてしまう。相手の昂奮を誘引した自分に優位性が出てくる。嫌悪感を中性化しようとするこのような作用は全編に渡って見受けられる。 [review][投票(2)]
★4この世界の片隅に(2016/日)キャラクターがガジェットと絡み合うことを博物学的嗜好が拒絶している。『風立ちぬ』がやるような、人の体重が車体の懸架を沈み込ませるような無機物の可変性を博物学が許容できず、美術をあたかも昭和館の陳列物のようにしている。 [review][投票(2)]
★4華氏451(1966/英=仏)風刺に終始しては庶民の無学をあげつらうことになりかねない。リンダの造形には女性嫌悪の含みすらある。しかしオスカー・ウェルナーの船越英二然とした天然が無神経の迫力で事態を推し進めるとリンダに対する同情が生じる。 [review][投票(2)]
★3独裁者と小さな孫(2014/グルジア=仏=英=独)架空の舞台の構築に社会科学的なこだわりがない上で風刺を行おうとすると文体がマンガになりかねない。マンガであることは老人のサヴァイヴ能力を魅惑的に見せてくれるが、この老人が魅力的になるほど、苛政を行う人物像と矛盾を来してしまう。 [review][投票(2)]
★3母と暮せば(2015/日)爆心下の有様を定常的に観測することで無批評性という洗練の極限に達した精神が、最後には正視に耐えられない悪趣味なまでに絢爛とした画面を構成してしまう。さまざまな文法がただ混濁するだけではなく性質の振れ幅も巨大で戸惑うのである。 [review][投票(2)]
★4オール・ユー・ニード・イズ・キル(2014/米)成長と事件の進展がループによって可視化されることのよろこびがよく出ている。しかし後半でループしなくなると、この楽しさの反動としての停滞が来る。 [review][投票(2)]
★4クレイジー・ハート(2009/米)オッサン向けハーレクインである。展開される現象に概して意味がないのである。趣味の合う異性が都合よく降ってきて、酒臭いメタボのオッサンに口説かれると紅潮する。断酒は一瞬で成功し、曲は作った傍から金になる。これを物語として編成する意味はあるのか。 [review][投票(2)]