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disjunctiveさんのコメント: 投票数順

★3ガンパウダー・ミルクシェイク(2021/仏=独=米)女権に下駄を履かせる便利図書館と非武装ダイナーは集団的母性で子どもたちを拘引する。3世代に渡る犯罪者の再生産は孤立する父権による相対化を一蹴して児相案件の範疇を越えていく[投票(2)]
★4風と共に去りぬ(1939/米)幼年期が強制終了しても恋愛ファーストがつづく錯誤は、事を郷愁として扱う政治的背徳に苛まれた無意識の産物だ。劣化した成熟は時にコミックリリーフとなりながらも、メラニーの聖性が夫婦漫才をついに恋の焦らしへ精製する。 [review][投票(2)]
★3ロング・ライダーズ(1980/米)ローカリズムを義賊行為の根拠にした強盗団を退治するのはブルーステートのそれである。この無思想はスロー濫用のヒロイズムを動物ドキュメンタリーの無感動で眺めながら、強盗の傍らで幾度も繰り返される男たちの求愛アピールに気まずさを効かせる。 [review][投票(2)]
★4アステロイド・シティ(2023/米)テネンバウムズ家を踏襲する際にトム・ハンクスを義理の父にしたために、死別した妻が人間関係を凝集させる。人々のかみ合わせが要求するこの精度を達成するために、50年代の時代設定と科学賞が民度を蒸留する。 [review][投票(2)]
★4ヘルドッグス(2022/日)デザイナーズマンションで地上を覆い尽くしたい審美感には含羞があり、その笑いの紛らわしは非ゲイアピールをゆるふわにしつつ、坂口健太郎の善性を誤用してしまう。 [review][投票(2)]
★4反撥(1965/英)内省は発見されるがそこには語るべきものがない。物に代言されるメンタルは女の後背で交通事故を引き起こすが、彼女は内省の及ぼした世界改変に気づくことなく雑踏を通り過ぎる。これはダンディズムである。 [review][投票(2)]
★4イレイザー(1996/米)カーンの限度を知らない手際が国家不信をはるかに超えてピカレスクの痛快にすら至る。誰がこれを止めるのか。シュワは、大胆な汚職役人とイタリア系土俗倫理の引き起こす化学反応の触媒に過ぎなくなり、正義を実証する無色透明な一個の機制に還っていく。 [review][投票(2)]
★4ジェロニモ(1993/米)昼間の追跡で人の性能を展示し、夕べになれば焚火の前でオッサンが新人に演説を振るう。ジミー大西は素直だからオッサンの雄弁は留まるところを知らない。山場はいずれもオッサンの内紛である。 [review][投票(2)]
★4Wの悲劇(1984/日)最初にあるのは科を作る猟奇じみた幼児体へのおののきである。泥酔の件から幼児体型は天然と結託しアイドル映画の畏怖をもたらす。 [review][投票(2)]
★3女囚701号 さそり(1972/日)冒頭の川辺と経血に独房の漏水。これは本来タルコフスキーに近い代物と思われるが、東映東京というシステムは怪奇のフォーマットで対応する以外に術を知らない。 [review][投票(2)]
★3レジェンド&バタフライ(2023/日)綾瀬はるかから光秀にマスターマインドが交代してキムタクがトラブったのであるが、この機序に意識的ではない作者はむしろトラブルを恋愛の手段と見なすあまり、キムタクの闇落ちには段階を踏ませずとつぜん人が変わる。 [review][投票(2)]
★4ケイコ 目を澄ませて(2022/日)ドキュメンタリーの叙法から突出せずにはいられない異様な愛苦しさを担保するのは、底の見えない岸井ゆきのの内面である。それは自意識のない子どもや動物の痛ましさに類するゆえに、浄化の前提となるストレスの感応をわかりにくくする。 [review][投票(2)]
★4バーニング 劇場版(2018/韓国)フォークナーと牛舎の間で振幅する一貫しない知的態度には功罪がある。それは階級を媒介するために、女を属人的な窮地にはめ込むにあたり、社会問題を参照できる。町内会長とビニールハウスを繋ぎ、サイコの絵空事にスリラーの充溢を実装する。 [review][投票(2)]
★4赤い殺意(1964/日)書架の形状が楠侑子の身体に科を作らせ、ストーキングへの憎悪を煽る。日常の凶器物が春川ますみのただの不作為を劇画にする。構造の支えを持たない露口茂はダメを加速させ、もはや憎悪を越えていくが、 [review][投票(2)]
★4実録・連合赤軍 あさま山荘への道程(2007/日)永田洋子に代表される女性のサディズムがノリノリに抽出されるほど、森恒夫が棒演説に陥没し、原田芳雄の飄々としたナレーションとともに、総括から理由を奪ってしまう。殺戮の動機を追及しないのならイデオロギーは脱臭され、事は病理論に落ち着く [review][投票(2)]
★4秘密の森の、その向こう(2021/仏)基本は生霊でしかなく実体に会えばそれまでである。補助線としての死者との再会には深入りしない。帰ってくると生霊の本体が死者に見えてしまうのは、祖母の補助線が効いている。 [review][投票(2)]
★4機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ(2020/日)天然の妖婦が男を煙に巻こうにも男の方も天然で妖婦物が成立しない。多動な人間観に基づいて進行する会話は10秒を越えて同じ話題を扱えず、意思の疎通は偶然の産物にすぎなくなる。目前で大破するガウマン機への悲嘆がギギへの性欲へ混線・援用されるように。 [review][投票(2)]
★4シン・エヴァンゲリオン劇場版(2021/日)第3村の教条劇が綾波を哀れに見せる手口に初号機搭乗前に勃発する昼メロ。昭和の感性はオッサンらの実験演劇をキモがらせる自意識に掣肘されながら、発達障害に根性論で対応しようとする。そして宇部の大俯瞰に決算される昭和の感性に長い青春の終焉がリンクする。[投票(2)]
★4スウィングガールズ(2004/日)人が動機を欠くのであれば筋で追い込むしかない。弁当が欲望と背徳を仕込み、行動を発展させていく。状況に刹那に対応するしかないその行動主義にあるのは瞬間のみ。歴史は欠落し、行為の完成は形式を強いられているうちにとつぜん発見される。 [review][投票(2)]
★3娘は戦場で生まれた(2019/英)台詞と劇伴が雄弁になるほど、死体がオブジェ化するジャーナリズムの作用。耐えられないのは状況なのか、動画配信者の機能的心性なのか。後者の背徳を感知する無意識が撮影者を状況の説明に走らせる。 [review][投票(2)]