[コメント] コンテイジョン(2011/米)
人が沈着であり続けることと、事態の展開に関連がないのである。非日常に順応してしまった、幾分の諦念を含んだ静寂な空気感は暴動ですら粛々と進行させてしまう。
事件のこうした把握の仕方は黒沢清を連想させるものであり、またこの呪術性からもたらされるのは、妻を寝取られたジミー大西の個人的怨念が人類を脅迫する感覚である。マリオン・コティヤールの思考の窺い知れないヌボーッとした理系女顔はかかる世界観に順応しつつ、大西の童貞性に対抗している。こんな修羅場になってもスーツは毎日とり替わってゆくローレンスの着せ替え観察大会もキャッチーである。
(評価:
)投票
このコメントを気に入った人達 (3 人) | [*] [*] |
コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。