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[コメント] 鑑定士と顔のない依頼人(2013/伊)

結末の悲酸が自明であったとしても、ジェフリー・ラッシュへの同情によって、その悲酸の形態がいかなるものになるか興味が持続してしまう。ところが事が予想通りの悲酸に達し、嗚呼と嘆じながらカウンターに目をやると、尺が不自然に余っているのである。
disjunctive

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







われわれはそこで、悲酸の自明さこそが誤誘導であったことを知らされるのだ。隠されるべきものは、こちらの予想を超えてしまうジェフリーの悲酸に対する反応であり、失恋に遭遇しても愛は属人性を失った形で分離され男を支配し続けるおなじみの現象に行き着くのである。

(評価:★4)

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