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[コメント] 岸辺の旅(2015/日=仏)

画面が暗闇に溶け始めると「今回の清はノリノリだ」と微笑が浮かんでくる。不穏と緊張を煽る幽霊譚に力を得た恐怖映画の画面構成が躍動し、場面はさながら技のデパートと化す。
disjunctive

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







癒し系にしては浅野忠信がサイコパスの顔をしていて不穏極まりない。実際、情緒的な劇伴で粉飾されているだけで、死神浅野と使い魔の深津絵里が人のトラウマをほじくり返して回る不穏な話であった。最後に疲弊した浅野がセックスに力を得て回復するも、翌日には更に弊を来す投げやりな構成もまた90年代のビデオ作品を偲ばせて、清の健在ぶりがうれしくなる。

(評価:★3)

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