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[コメント] ギャングース(2018/日)

話がでかくなると序盤のタタキの精度を維持できなくなり、半グレの三下の情態を細密に叙述する演出家の資質は、階層を上るにつれて人物の細部を取りこぼし、マクロスケールの敵を見失う。が...
disjunctive

牛丼屋の店先を往来する市井の人々で幕は下りる。この社会主義リアリズムが喩えようもなく不穏なのだ。通行人が皆、三人を抹殺せんとする仮装した半グレの残党に見えてしまう。人々の歩速や密度が一様すぎる等、モブのディレクションに不備があるのだが、「敵」を見失ってしまったこの物語は、あくまで無意識ではあるものの、ようやくあの往来に敵の構造を捕捉したようにも見える。

(評価:★4)

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このコメントを気に入った人達 (3 人)ぽんしゅう[*] けにろん[*] 水那岐[*]

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