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[コメント] 野獣死すべし(1959/日)

仲代はこの時期の彼らしく何処を見てもおかしい。それを周囲が好青年だと扱うので、ますます同輩の無感覚の限度を試すような挑発的な作り込となってしまう。
disjunctive

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







しかし、技巧的サイコパスの仲代よりも天然型の中村伸郎の方が余程恐ろしく、その怖さが仲代の劇画調を地上に定着させている。したがって、伸郎の爆死には立脚点が損なわれた喪失感が伴われるとともに、構造的な寄る辺の消失が仲代の孤立した生き様を捕え始める。それが実効的となるかどうか同情のこもった緊張がもたらされ、機内食を貪る溌剌さがやがて哀しくなるのである。

(評価:★4)

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