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disjunctiveさんの人気コメント: 更新順(5/33)

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★4スウィングガールズ(2004/日)人が動機を欠くのであれば筋で追い込むしかない。弁当が欲望と背徳を仕込み、行動を発展させていく。状況に刹那に対応するしかないその行動主義にあるのは瞬間のみ。歴史は欠落し、行為の完成は形式を強いられているうちにとつぜん発見される。 [review]DSCH, ぽんしゅう[投票(2)]
★3キングメーカー 大統領を作った男(2021/韓国)音楽的な演説を始めるソンギュンも”閣下”の一座も挙措は歌劇に準ずる。殊に室長チョ・ウジンのヌルっとした軟体感。話の底流にある実務家蔑視はミュージカルの話法に特有の内容のなさへの自己嫌悪でもあるのだが、 [review]けにろん[投票(1)]
★4のぼる小寺さん(2020/日)工藤遥は個人主義のイデオローグであり、周囲が感化を受けて奮起するのは機序が少々怪しい。工藤自身は自分が頑張っているとは思わないから、終盤のユースは盛り上がらない。前段階たる卓球とネイルや工藤の個人主義を翻案する部活の先輩らに喚起の力がある。けにろん, おーい粗茶, シーチキン[投票(3)]
★4新 極道の妻たち(1991/日)芝居のうまさが祟って高嶋政宏はゴッドファーザーでいうところのソニーにならない。解離する岩下志麻のストレスを追求しようにも息子の没入を厭いながらも母の血は騒いでしまい、収まるところに収まってしまう。 [review]ぽんしゅう[投票(1)]
★4がんばっていきまっしょい(1998/日)現代編の仕込みが郷愁の苦悶を送り込み、青春の絶頂が凪のような失意の感情の質感に沈む。その耐え難い静けさ。事態の記号と化したコックス(清水真実)は絶叫して郷愁の苦悶を運動の苦悶へ誘導を試みる。結論は出ず苦しさは受け手に向かって放擲される。けにろん, ぽんしゅう[投票(2)]
★4アンビュランス(2022/米)消尽したテストステロンはもはやカーチェイスの力学に耐えきれず、車は次々と勝手に自爆する。ヒゲ面の男たちの集団的更年期障害が希求するのは、それぞれの不安を包摂する生ぬるい連帯。その結実としてのリモート手術。 [review]けにろん[投票(1)]
★4渇き。(2014/日)小松菜奈の軽量級の芝居はオッサン学芸会にとって屈辱になるのか優越になるのか。被虐のその繊細なバランスが女衒退治という通俗のうれしさに飲み込まれていく。 [review]けにろん[投票(1)]
★4燃えよ剣(2021/日)職人賛歌の割に政治的体面を気にしてしまう。職人の癖に職人に徹しきれないのだが、中産階級の坊ちゃんたちの徳が時に厚顔へと転換し、かかるサイコ性の方に職人のダンディズムがある。 [review]ゑぎ[投票(1)]
★4リチャード・ジュエル(2019/米)知性信奉が、正義の侵害自体を云々するよりも人々が侵害に感づいた瞬間を捕捉しようとする。それは知性の捕捉に他ならないからだ。たとえば、ミランダ警告に際したハウザーの反応や最初にFBIに電話した際のロックウェルの不審顔。 [review]緑雨, DSCH[投票(2)]
★4死んでもいい(1992/日)大竹しのぶの天然と自意識の狭間で低徊する90年代前半文明というニッチ。室田日出男の悲劇を呼び込む力と優男のダメさが、ちあきなおみの協賛を経て、大竹の魔性というその息苦しき90年代文明を圧していく。 [review]けにろん[投票(1)]
★4アルプススタンドのはしの方(2020/日)試合運びを作者の価値観に隷属させる没精神の営みで冷笑を克服するジレンマ。作為の強烈さは筋を訓致できても実体は騙せない。没精神的な追憶は、後日談での三人の正気を疑う衣装として外化する。おーい粗茶[投票(1)]
★4天然コケッコー(2007/日)キャワイイという存在するだけで価値がある事は、それに際した観測者にとっては感情の強制であり暴力である。その強制力が有標化するキュンキュンな傷みを思春期・卒業・ゼロ年代のノスタルジーと取り違えてほしい欲望がある。 [review]DSCH[投票(1)]
★4キャロル(2015/英=米=仏)ケイトのヒラメ顔が紗のかかった画面を大型魚類そのものの緩慢さで遊泳する。貞操を狙われるルーニーは水族館の隅で怯える小動物である。 [review]けにろん[投票(1)]
★4モテキ(2011/日)2010年代がわからない。近すぎるゆえに20年代の今からはうまく捕捉できない。現代邦画としては破格のミュージカルとそれに対応する森山未來の身体能力が、そのぼんやりを超克する。歌劇が麻生久美子のアニメ声を違和感なく組み込む。 [review]緑雨, ぽんしゅう[投票(2)]
★4フラガール(2006/日)60年代の時代感覚はむしろ失調するべきなのだ。稽古量とカット数と蒼井優の言語センスが鉱山という箱庭を作り込み、時代感覚の閾を跨がせ架空の日本を構想する。松雪泰子が、炭鉱夫たちが、時代感覚の失調の最たるハワイアンセンターになだれ込んでいく。緑雨, けにろん[投票(2)]
★3レ・ミゼラブル(2012/英)ミュージカルの叙法に反して、皆、望遠で歌って感情を発散させず、むしろ内面に没頭し、これらの寄りがゲームCGの遠景と交わることなく相対する。歌劇の形式主義はむしろ表情筋を規制し、画面を髭面の八の字眉で埋めていく。 [review]緑雨, けにろん[投票(2)]
★4アイ,トーニャ 史上最大のスキャンダル(2017/米)途中で物語の進行が友人ポール・ウォルター・ハウザーに依存し、薄弱なるものへの憎悪とそれが退治される懲悪の心地よさが、格差や文化資本の問題を無効にする。ハウザー退治の後は消化試合となり、後日談では悪友から解放された安堵が広がる始末である。緑雨[投票(1)]
★4mid90s ミッドナインティーズ(2018/米)地面の形状に沿って各々の知性と根性を定義できる映画的事態が、組織内力学の叙述に活かされる一方で、形状に左右されない痴愚者は超地上的な視点に至り事態を包括する。それは、90年代にありながら、すでにそれを懐かしむような態度である。 [review]けにろん[投票(1)]
★4天使のはらわた 赤い教室(1979/日)女の幸福を願いたくなるのは、薄幸が正しく実効しているからだ。相思相愛の破綻は偶然に委ねられ、男の未練を温存させるように。人生の敗残と失恋が相互に傷心を参照し合っていく。 [review]けにろん, ぽんしゅう[投票(2)]
★3異端の鳥(2018/チェコスロバキア=ウクライナ)たとえば、生計の手段が絶えず疑義に晒されるような生活感のなさが、生活の物証を追及するゆえに、景物の質感は高い解像で捕捉される。これがモノクロと齟齬を起こしてますます作りごとめいてくる。 [review]DSCH[投票(1)]