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disjunctiveさんの人気コメント: 更新順(8/33)

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★4アンダー・ザ・シルバーレイク(2018/米)男の内面が受け手には見えてなかったと判明する類の話であり、見えないものを見えてるつもりにさせる、つまり無意識に形式を与える作業は筋の運びを類比的にせずにはいられない。 [review]DSCH[投票(1)]
★4ファンシイダンス(1989/日)当時も今も様子が変わらない意味で寺は時を知らない。バブルの風俗が寺の時のなさの前提となるが、時がないから本木雅弘が最初から完成されている。むしろ関係は逆流して、無時間性がバブルと今と媒介しそれをノスタルジーに翻案し始める。 [review]けにろん, DSCH[投票(2)]
★4フリー・ガイ(2021/米)人間よりもAIの動機がはるかに強い。彼らは生死を脅かされている。事件の端緒は恋を覚えたAIに発している。AIを現実の踏み台にしたのは誤りだろう。作者がAIの恋に気をやった痕跡はあるが、解法が見つからなかったのか、その顛末は投げ出しに近い。 [review]ロープブレーク[投票(1)]
★4君の名前で僕を呼んで(2017/伊=仏=米=ブラジル)状況だけに好意の物証を追及する情熱は、背徳のスリラーを景物映画で展開する越境を志向する。関係の逆転に伴って、背徳感は性欲一般に備わる喜劇性に代わり、結末の傷心を緩和すると思う。 [review]ゑぎ[投票(1)]
★4最高の人生の見つけ方(2007/米)そもそもこの金満家のオッサンには人生の課題を見込めないのだから、物語は奇妙な背馳を始める。あくまで、何事かが解決されるという感覚が先行するのであって、解決されたのだから、課題は確かにあったのである。 [review]緑雨[投票(1)]
★4パラサイト 半地下の家族(2019/韓国)事が進むという充足をもたらしつづけるガンホ一家の有能さが社会時評を無効にしている。あまりにも有能であるから、彼らの窮乏は一時的なミスマッチであって、遠からず旧態に復すると思わせる。事実、劇中ではそうなってしまう。 [review]緑雨, ペンクロフ, ゑぎ, ぽんしゅうほか5 名[投票(5)]
★3天と地と(1990/日)人間が下品な挙動を起こさないのは、語り手の文化的背景の賜物であると思う。悪趣味は確かに散見されるが、あくまでキャラの心情に対する隔たりがあるため、不快には達しえない。 [review]ゑぎ[投票(1)]
★3007 スペクター(2015/米=英)ボンドとボンドガールへの共感がなければアクションが緊張を醸しえない。ではかかる共感はいかにして獲得されるか。課題を抱えたボンドガールに対する人生相談という奉仕がそれにほかならない。 [review]YO--CHAN, kiona, けにろん[投票(3)]
★4テロ,ライブ(2013/韓国)巨大な構造物が崩れる実感を、その巨大なる感覚を維持したまま、微視的な視野で把握する作業は一種の矛盾である。モニターに映る倒壊しつつある物体が、直に破壊を及ぼすに至るまでの重々しいタイムラグが、その矛盾を乗り越え、かかる感覚を表現している。 [review]kiona[投票(1)]
★4女と男の観覧車(2017/米)場末が場末になりきれない極彩色の地獄が歪ませる空間感覚。緊張の幕間に火遊びをして釣りをやるオフビートで歪む時間感覚。時空からの疎外された人間の荒廃した境遇を作者は観察するだけだが、詠嘆が叙景で代替されるに及んで視点だけは50年代時空を回収。DSCH, ぽんしゅう, けにろん[投票(3)]
★4連合艦隊(1981/日)男たちの大和』がプライベート・ライアンならば、こちらはポセイドン・アドベンチャーの趣で、個々人の生存の可否に受け手の興趣を賦活させる手管に優れる。財津&中井親子の長生きネタなどは、論理志向が過ぎてブラックヒューモアに近い。 [review]ぽんしゅう[投票(1)]
★4真昼の決闘(1952/米)行政が浸透しない方が経済成長すると町長トーマス・ミッチェルが演説をする一方で、フランクの手下が強奪を働く。この世界観の混乱は、意図的であろうとなかろうと、クーパーの意気地から社会性を失わせ、それを単なる迷惑に見せてしまう。 [review]けにろん[投票(1)]
★4アシュラ(2016/韓国)ビッグブラザー並に知らないことはない検察側がキャラのプライバシーを許容しないために、修羅場に直面した人間の機知ではなく、むしろ覚悟と開き直りを観察する、対比列伝のような根性論が志向されている。 [review]ペンクロフ, DSCH, けにろん, ぽんしゅう[投票(4)]
★4ミッドサマー(2019/米=スウェーデン)第一の難関、アジの開きでゆるふわなゴアという芸術が達成されている以上、あとは行動を通じた事態の再演と点検に過ぎないから、そういう曖昧な時の経過に身をゆだねるフローレンス・ピューの幼児体型のフワフワには抗しがたい蠱惑と嗜虐を誘われるものの、 [review]DSCH, ゑぎ, ぽんしゅう, けにろん[投票(4)]
★4遠雷(1981/日)田植え、介護等々、永島敏行が徳の実践を重ねる程に、かえってアタラクシアの危うさが喚起される。モンテーニュによれば、もっとも美しい生活とは奇蹟も異常もない生活であるそうだが、 [review]寒山拾得[投票(1)]
★4王将(1948/日)筋はつながらない。技術力がカットはつなげてしまう。阪妻の不可解な情熱は技術の例化なのだが、偶然以外に阪妻と交信する術のない水戸光子は宗教的情熱という放心に至り、頻度ないし霊感に交信を賭ける。 [review]寒山拾得[投票(1)]
★4この子の七つのお祝いに(1982/日)岩下志麻(40)をセーラー服で飾る超時間感覚が虚偽記憶の寓意となる。無駄に悶絶する杉浦直樹から名古屋章に至る、80年代の絢爛なオッサンコレクションに際し、増村保造の叙法は頑としてノスタルジーを拒絶するのだ。ぽんしゅう, けにろん[投票(2)]
★4夜に生きる(2016/米)観光とナンパから始まって挙句にKKKから宗教右派へ。御曹司集団劇という特殊形態の中にやがて何とも抗しがたいベンアフ文芸の秘密が花開く。ダイコンという恒常性の船に乗って、波乱にとんだ世界の荒波を彼は乗り切ったのである。jollyjoker, けにろん[投票(2)]
★4さらば愛しき大地(1982/日)80年代の豊饒が場末感を許さないから、叙法はスコセッシ&レオ的なドラッグムービーに似てくる。それは好ましい皮相であって、悲惨を餌食としはしない高潔が、矢吹二朗という俳優の実存論になっている。けにろん[投票(1)]
★4浪人街(1990/日)江戸東京博物館の常設展示的バロックというべき意匠の欠如。それをまとめ得る田中邦衛の悲劇が、勝新の諦観をミスリードする遠心力に巻き込まれる。劇の構造はぼやけ続け、死に花を咲かせと自己顕示欲が互いを包含する。けにろん[投票(1)]