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[コメント] 深呼吸の必要(2004/日)

過疎地での農業はたいへんだ!!で良いんですかね
夢ギドラ

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







サトウキビ畑の経営者(おじいとおばあ)の言動が、沖縄的なもので若者を丸め込む経営戦略にみえた。田所(大森南朋)の扱いも含めて。これはたいへん良い。慈善事業をしているわけではない経営者のドロ臭さと、見ず知らずの若者に頼らざるを得ない現状と、しかし、出て行った若者(成宮寛貴)の夕食を用意しておくあたたかい風土も残っているという描写のリアリティ。良心だけでは誰も生きてはいけない葛藤が、沖縄を舞台に発せられている。現実とのバランス感覚を取るために、かなり思案しているとおもった。

しかし、主役の若者たちはどうだろう?彼らは、おそらく変わっていない。各々の問題を抱えてキビ畑にやってきて、もう一度抱え直しただけである。だれだって慈善事業しながら、貧しくとも達成感のもてる暮らしがしたいけれど、そうはいかない。現実は、重苦しいね、である。

過疎地での農業はたいへんだ!!が、この映画の主題ならば、本作は大成功。現代の若者たちを切り出すことが主題なら、アバウトすぎる。大体、「逃避」を言いたいなら、甲子園、医者、看護士は害になる設定だとおもう。

不満は残るものの、なんとなく見返したくなる作品なのは、キビ畑が徐々に刈られていく様と、キャストの肌が徐々に焼けていく様が、気持ちが良いからだろうかね。

(評価:★3)

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このコメントを気に入った人達 (1 人)ぽんしゅう[*]

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