姉（佐藤江梨子）の思考回路に、面白さが見出せなかった。妹（佐津川愛美）が、自分を漫画のネタにしたから集中できないとか、家族が仕送りしてくれないのは、家族が悪いとか、笑える個性のレベルを越えてる。だから、妹が、お姉ちゃんは面白いと言い続けることに、説得力が無かった。やりすぎなのだ。登場人物４人ともそんな感じ。

兄嫁（永作博美）のキャラクターとかは、洒落になんないというか、もうわけ分からん。出生地が港区のコインロッカーなのは、他人がとやかく言う経歴ではないけれど、わざわざそういった設定にしたキャラクターが、夫にDVされ自殺される。 それでも彼女は、自分のなかで幸福を感じていたのでした、というのならば良いと思うのだけど、腑抜けすぎていて、来る者拒まず去る者追わずに見えた。とすると、あのコインロッカーのシーンは、一瞬、笑いを取る為だけに挿入されたのだろうか。幸／不幸を越えたダメさ加減が、うまく機能してインパクトあるのに、その場しのぎの笑いを取ろうとしたので、結果、キャラクター情報が増えすぎた。やりすぎに見えた。

ついでいうと、音楽（鈴木惣一朗）もやりすぎ。なぜ常に鳴っているのか。この人は、ハリー細野のレーベルの人で、結構良い感じだし、映画音楽にしても、「犬猫」は良かったと記憶している。

カメラもやりすぎ。田舎の雛形のようにして出てくる風景が、発光している。ロケ地は良い。検索すると石川県の能登町という所らしい。ザ・日本の田舎風景を正面から撮ればいいものを、この世のものでない風に発光させているのは何ゆえか。あの美しさ加減は、抜け出したい田舎じゃないっすよ〜。