コメンテータ
ランキング
HELP

[コメント] パンズ・ラビリンス(2006/メキシコ=スペイン)

どうとでもとれる。捉え方の選択肢がみえみえなので、コレとアレがあるけど、自分はこっちかなあ、とか。自分の都合よく解釈してる自分は、いやー。
夢ギドラ

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







主人公オフィリアのお母さん(妊婦)が、体調悪かったです。レジスタンスとも通じている医者が診察に当たっていて、薬を処方してました。小さな瓶に入った、茶色の液体です。

敵に加担している医者の処方する液体。 これが結局、本当に薬だったのか、やっぱ毒だったのかが、揺れます。

お母さん(妊婦)は、薬を飲んだ後の方が、死にそうでした。でも、医者は、アイデンティティー的なものの為に戦っていたのであって、医者としては正しかったかもしれません。といいつつも、捕虜になったレジスタンス一味の人間が、拷問されていたところで、今にも全部しゃべりそうだった仲間を、注射一本で殺したのは、医者。まだ直るかもわからないのに、殺したのは、思想が優先されてのことでしょうか。

主人公オフィリアは、この処方薬をどう思っていたかが、やはり分からないです。継父が怪我をしたあと、オフィリアは、母に処方されたこの薬を、継父のコップに隠れて注ぎます。オフィリアは、あたらしい父親になんども気持ちを裏切られています。綺麗な服を着て見せているのに、邪魔もの扱いをされます。では、心の底から、毒を盛るほどに、憎んでいたかというと違う気がします。血の繋がった父親がいないので、あたらしい父親に何度裏切られても父性を求めてしまうかもしれませんし、母親を奪われる気がしたのが我慢ならなかったかもしれません。

私個人は、嫌いなはずの父親の怪我を、オフィリアは心配して薬を飲ませようとしたけども、面と向かって言えないのでコソコソした。という筋書きがみたいです。処方された妖しい雰囲気の薬は、やっぱり薬だった、が気が楽、です。でも、きっとそんなに幸せな話ではないのでしょうね(涙)

パンズ・ラビリンスの物語に、オフィリアの地下帝国は存在したか、すら分からないままです。苛酷な環境のせいで少女が観た夢というふうにもとれるし、やっぱり存在したのだ。という感じもする。パンゴラ??(なんでしたっけ、根っこの赤ちゃん)は、母と継父にも見えていたようだし。 現実とファンタジーの境界がどんどん侵食していって、二色の絵の具のように混ざっている感じです。

良質のファンタジーだと思いました。

(評価:★5)

投票

このコメントを気に入った人達 (2 人)甘崎庵[*] プロキオン14[*]

コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。