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[コメント] ぐるりのこと。(2008/日)

「!」→「。」
夢ギドラ

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







心をさらわれたのは、高価な水の入った壷が割れ、水が流れ出たときでした。高価な水は、母(倍賞美津子)が購入したもので、娘・翔子(木村多江)が失った子供を弔う気持ちがこめられていました。ダメな母なりに、娘を心配しているものの、どうしていいか分からずに、そういった水を買うという行為に走った。一瞬だけ、家族が奇跡的に揃います。父親なんてデッサン画だけども。そのとき、母が娘についに向き合う。高価な水を持っている意味がなくなった瞬間がきた。あらかじめ予定されていたかのように、壷は割られて、水が流れ出る。ああ、いいなあ、と思いました。

母娘が向き合うキッカケは、カナオ(リリー・フランキー)が作った。ずっと澱んでいた水を浄化したのが、他人のカナオで、つまり新しい家族。また、壷を割ったのは、兄の子供たち。こちらも新しい家族。

本作はいろいろなものが込められていたように思うのですが、まだ消化できません。「ハッシュ!」の時も納得に時間が掛かったので、今回もかかるかと思いました。 夫婦について。私には、どこまでみっともなくなったら、夫は妻と向き合うのをやめてしまうか、という試み・テスティングにも見えたけど(うつ病患者にはテスティング要素はないとおもうけれど)、カナオの行動が究極の稀なほどの人間愛なのか、ありふれた夫婦のすがたなのかが、分からなかった。どこまでも向き合うよ、理由は「好きだから」。うーむ。

(評価:★5)

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このコメントを気に入った人達 (6 人)chokobo[*] 緑雨[*] 死ぬまでシネマ[*] 3819695[*] ペペロンチーノ[*] moot

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