たいへん直情的なラスト。ドビュッシー聴かすから、各自かんがえてみてね、なラスト。

次男がピアノの天才だったとしても、それだけでは成功する確証はない。（えー、のだめヲタの私に言わせれば…じゃなくて）、そもそも、冴えない家族に天才が居たからといって、それで家族が再生するのだろうか？しません。おそらく監督もそうは考えていません。小さな希望や満足にすがり、ずるずると繋いでゆく不安定な関係。再生と解体を些細なことで繰り返す、きっとこれでしょう。そんな関係は、悪くないのかもな、と思いました。

本作は、黒沢作品に定期的に出てきて世界をかき回す「間宮」なんかはいません。家族は完全に崩壊してはいないし、世界も一定の秩序を保っています。監督の作品を幾つかみていると、変わったな〜てな感じをうけました。