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[コメント] それでも恋するバルセロナ(2008/スペイン=米)

非現実へようこそ。楽をしたければ、そこには居られない。手放せば戻らないが、非現実の感触だけは残り続け、現実を変貌させる。
夢ギドラ

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







非現実またの名を本能と直感の世界へ二人は迷い込み、こうして現実へ帰還しますが、この抑制の効いた脚本は、彼女らが「以前に見ていた現実」には戻れないことを匂わせています。もう何事も前のようには見ることができないし、感じることは出来ない。

3人でやっと充足するというあたりに面白味があり、そういう人も居るのだろうなと思いました。何はともあれ自分の充足、恋愛を始めるには才能(3人は芸術に関しタレンテッドという単語を沢山使っていましたが、これは恋愛のことを言っていたのだと思います)が必須であり、彼らは才能を持ち合わせていた。しかし、才能の継続にはたいへんな努力と精神力を要す、すごい大変!!ということでしょう。当たり前っす。スカヨハ可愛いっす。本作がどうも格調高い様子なのは、素晴らしい恋愛を手放す愚かさを嘆いてはおらず、美しい描写・楽しい時間の連続を見せ、たった一回限りの価値に気づかず手放す、それすなわち豊穣な人生としているからだと思います。

(評価:★5)

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このコメントを気に入った人達 (5 人)緑雨[*] chokobo[*] ぽんしゅう[*] G31[*] けにろん[*]

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