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[コメント] 七人の弔(2004/日)

この鈍く重苦しい爽快感。
林田乃丞

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







 児童虐待の原因のひとつは「それでも子供は親を求めて止まない」という、それはもう業とも本能とも言うべき子供という生き物の心理状態にあるわけで。だからこそこの映画の結末で「親殺し」を実行する被害児童たちに、一種の爽快感を感じてしまった。

 この結末のあり方を全面的に支持はできないけれど、ダンカンという大人が大人の立場からひとつの解決案を提示しようとした勇気だけは賞賛したいと思う。少なくとも彼は、「子供の生命力」などという不確かなモノに問題解決の糸口を丸投げした『誰も知らない』の是枝なんかより、ずっと真摯な問題意識を持った作家だろう。

(評価:★4)

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