[コメント] ロッキー2(1978/米)
映画を見終った人むけのレビューです。
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前作でいくつもの奇跡を起こし、一躍時代の申し子となってしまったシルベスター・スタローンとロッキー・バルボア。だが、30年の人生に感じてきた世界をすべて吐露したような第一作に比べ、脚本の粗は否めない。
特に、ミッキー。あんただ。
アポロとの死闘によって眼疾を患い、失明の危機すらあるというロッキー。当然ミッキーは彼の復帰に反対する。
だが、ロッキーがアポロに挑発されると、わざわざロッキーの家に乗り込んでまで彼の復帰を促すことになる。
この行為、ボクシングのトレーナーとしては失格である。サウスポーのロッキーをオーソドックスに構えさせるとか、そんな問題じゃない。老いぼれの左フックにすら反応できないほど目の悪いボクサーは、リングに上げちゃダメなんだ。
前作でもミッキーは、いけ好かないジジィではあった。冷たくあしらっていたくせに、ロッキーにタイトルマッチが決まるや、自分の過去をひけらかして何とか自分を専属マネージャーに雇い入れるよう無様に頼み込んでいた。
だが、このときのミッキーには確かな信念があった。長年ロッキーの才能を信じてきた己が眼力への固執があった。自分こそがロッキーを頂点に導ける人間なのだという自負があった。
だが、今回は違う。ミッキーは、ロッキーと自分のプライドのためだけに、傷ついた自分の選手をリングに上げることを許してしまう。そしてその瞬間から、映画はロッキーの眼疾という設定を完全に置き去りにして、収まるべきクライマックスへと逃げ込んでしまった。
あいも変わらずサイテーなポーリーだけが辛うじて世界観を支えている。
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