とりあえず走ってる犬の映像が超カッコいい。そんで、殴られた犬のフラフラ感とか犬の死体の死体感（？）とかもすごい。

あと、淀君が実は超いいやつで泣ける。

あと、出刃包丁持って追っかけてんのに追い抜いちゃって「勝った……！」とか言っちゃうのが超すごい。びびる。後ろから刺さない。ただ殺せばいいわけじゃない。勝ってから、正面から刺す。カッコいい。これがこの映画の哲学。ほとんど意味わかんないけどこのシーンだけでいい。びんびん伝わる。

あと、追いつく前に階段で力尽きて４段くらいズルズル落ちるシーンとかすごい。

あと、外人のソープ嬢がファントムとかイーグルとか言い出すタイミングがすごい。

あと、お市のランニングフォームがすごいサマになってる。

あと、戦国時代のお市の方が超美人。

あと、あと、あと……

あとなんだろ。とにかく一片の迷いもない映画。この作品は暴走しているが迷走はしていない。すべてのカット、すべてのセリフが半端者の所作じゃない。

『幻の湖』はど真ん中で勝負して、堂々と散ったんだろう。当時の東映の事情なんかまったく知らないし、芸術とかよく解らないけれど。

たぶん。きっと。この映画は、捨て身のクロスカウンターだ。超カッコいいじゃん。★5。