梅雨明けの横浜は一気に気温が上がり、ニューテアトルの環境が非常に快適に感じられ、気持ちよく眠ってしまったため点数評価は差し控えるが、一応観た範囲で言うと稚拙と言うよりない。屠殺場を撮影して「残酷でしょ？」と鬼の首を取ったように言われても、そりゃそういうものでしょという話であるし、「イルカは頭がいいから殺してはならない」に至っては、サッカー南アフリカワールドカップで有名になったタコにも適用できそうな「妄想」を基盤にしているから話にならない。

また、水銀汚染の件についても学者然とした人物を出して、イルカ肉から高濃度の水銀が検出されたと言う話を語らせているがこの人物にモザイクをかけるのはどういった了見か非常に疑問である。この人物は自分の鑑定結果に責任をもてないのか。または全く学者ではない役者に喋らせているのか。イルカ肉が水銀に汚染されているという鑑定結果を喋る事と、イルカ漁の是非は全く別の次元の話であり、自分達の主張にすら責任を持つつもりがないと判断されても致し方ないだろう。

極端な話、撮影中に自分達が如何に「迫害」されたかという話にした方がよっぽど同情も買えたのではないか。まぁ、このレベルの作品で「イルカ漁だめ！」となるほど日本人も単純ではないだろう。思想は自由である。せめて興味を持てるように話を構築してから出直して来い。

(2010.07.17 横浜ニューテアトル)