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[コメント] トロン LEGACY(2010/米)

映像・音楽は良い。その分、ストーリーの練りの甘さが目立つ。IMAXでないとちょっと厳しいのではないかと思う。
Master

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







オリジナル未見です。

映像へのこだわり、そしてその映像を引き立てる音楽のレベルの高さは賞賛すべきと思う。ゲーム会場のビジュアルやルール設定の分かりやすさ、そしてダフトパンクの音楽は本作の良いところである。

しかし、それ以外のポイントは首を傾げざるを得ない。何より、ストーリーは相当説明不足である。「コンピュータプログラムの擬人化」というコンセプトを使った作品として『マトリックス』があるが、マトリックスは1作目でモーフィアスやトリニティーがネロを訓練する過程を通して世界観やルールを観客にも提示するのだが、本作ではそういったことは全くなされない。まあ、サム(ギャレット・ヘドランド)はサイレンから「生き残れ」としか言われておらず、その必要性はないと判断しているのかもしれない。ただ、このろくに情報も提示しないでゲーム会場にほっぽり出すようなサイレンの内の一人ジェム(ボー・ギャレット)をキャスター(ズース)に会いに行く時にサムが簡単に信用して、ほいほいついていくのは説得力がない。また、プログラムとしてのトロンとクルーの関係性も描きこみが甘い。リンズラーとなったトロンがなぜあのタイミングでクルーに反旗を翻す事が出来るのか、最初のディスクバトルの時にそういった行動を見せないのはなぜか、裏づけがなされているか。丁寧でないため、あまりストーリーには入り込めなかった。

後はオリジナルとの比較論が必要かと思うが、今のところ未見なので割愛する。

最後に、鑑賞環境について。

本作を札幌で鑑賞したのはたまたま札幌に用事があったのと別に理由があった。以前、ユナイテッドシネマ札幌はIMAXの導入を行った事があり、その時のスクリーンは川崎のIMAXの比ではないほどの大きさで、相当鮮烈な映像体験だったという記憶があった。当時はソフトが極めて少なかったため、結局定着せず、通常サイズの作品が上映される事になってしまっていたのだが、昨今のIMAX評価の盛り上がりに影響されたか「復活」の運びとなったので、そのイメージが戻るかどうかを確かめたく、札幌で鑑賞することにした。

結論を言えば、その当時の環境が復活している。この環境は関東ですら稀有なので、ぜひ体験していただきたい。その意味において非常に良い経験であった。

(2010.12.18 ユナイテッドシネマ札幌)

(評価:★3)

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