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[コメント] 毎日かあさん(2011/日)

1話完結の短編漫画を長編用に組み替えるのはやはり難しい。その意味でここ数作の西原映画では下に評価せざるを得ない。
Master

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まず何より、毎日新聞の担当者は『酔いがさめたら、うちに帰ろう。』の東陽一監督と西原理恵子に謝りに行くべきである。鴨志田さんが亡くなった時のお二方のお子さんのエピソードを「酔いがさめたら、・・」で使うより効果的にできないのであれば、使用を拒否するのは間違いである。個人的にはそこが上手く出来ていれば他がどれだけダメでも目を瞑るつもりでいた。しかし、これではダメだ。取ってつけたように使ってしまって、申し訳ないと思わないのか。

そもそも「毎日かあさん」はコメント部分で書いたように1話完結。しかも1ページで終わる短編作品であり、それを長編に再構成する難しさは『ホーホケキョ・となりの山田くん』あたりでも示されているではないか。これで出来ていると思ったら大きな間違いである。エピソードを羅列した印象がかなり強い。単純に子育て映画として構成してしまった方が良かったのではないかと思う。そうすれば時系列という流れを作ることが出来る。なぜそうしなかったのかは疑問である。

永瀬・小泉のご両人も良く頑張っていたと思う。特に永瀬は減量を含めていわゆる「魂」を見せていたと感じる。それでも、鴨志田・西原夫妻は浅野・永作のご両人の方がしっくり来ていた。その意味では不幸な作品ではある。悪くはないのだが、これまでを考えるとどうしても評価が下がる。残念な作品だと思う。

(なお、文中で述べているエピソードの使用拒否の話は東京国際映画祭のティーチインで東監督自身が語られた内容です。)

(2011.2.5 TOHOシネマズ上大岡)

(評価:★3)

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