コメンテータ
ランキング
HELP

[コメント] ダークナイト ライジング(2012/米=英)

期待したほどには盛り上がらなかった。出来が悪いわけではないが、前作の境地に及んでいないのはこのシリーズに限ってはマイナスと言わざるを得ない。(重大なネタバレがあるので、鑑賞前にはReviewを見ないでください)
Master

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







3時間弱飽きさせない作りはさすがだと思うし、ジョン(ジョゼフ・ゴードン=レヴィット)の正体がロビンであることを示すなどラスト10分ほどの総まとめはとても良い出来であり、ある意味の多幸感があるのは間違いがないので、鑑賞後の印象は悪くはない。が、やはりどうしても前作と比べると若干の「がっかり感」があるのは否めない。

大きなポイントは2つ。「印象的なシーンの少なさ」と「シナリオの練りの甘さ」。

印象的なシーンの少なさは、前作にあった「トレーラー縦回転」「ジョーカー箱乗り」「バットポットに立ち向かうジョーカー」というようなシーンがフットボール場の爆破ぐらいしか思い浮かばず、(空中飛行機ジャックは大変なのは認めるが、前作の銀行強盗シーンの手際の良さから考えると印象は落ちる)圧倒感が少ない。

シナリオの練りの甘さという点はベイン(トム・ハーディ)の行動原理が結局よくわからなかったり、ハリウッド相変わらずの核描写の適当さであったり、『インセプション』で味を占めたかにも思えるマリオン・コティヤールの扱いであったり、そのすべてがストーリーへの没入を妨げている。

また、前作でも指摘されていたがバットマンをやるにはあまりにもレーティングへの気遣いが過ぎる。なぜこの話をG指定表現で抑えなければならないのか。残酷表現が好きなわけではないが、本作には必要ではなかったかと思う。

個人的には前作が好きな人ほど本作には拒否反応を示すような気がする。単体では良作だが、今回のシリーズの一作としては一段下がると言わざるを得ない。それは残念であった。

(2012.7.28 109シネマズ湘南)

(評価:★4)

投票

このコメントを気に入った人達 (2 人)サイモン64[*] 煽尼采[*]

コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。