[コメント] ワールド・ウォーZ(2013/米)
フォーカスを当てる部分を間違えたのか、あまりゾンビ映画に対して造詣がないのか、『チェンジリング』を書いた脚本家の作品にしては、適当な仕事をした印象を受ける
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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予告編、テレビCMでも使われているCGのゾンビの大群が壁を突破しようとするシーンなど見どころがないわけではない。しかし、メインとして描きたい「家族愛」とか「困難なミッションに挑戦する男」以外の部分についてローランド・エメリッヒばりに相当ぞんざいな印象を受けるため、微妙な印象を残す作品になっている。
おそらく制作陣は本作をゾンビ映画として考えてはいないのだろう。それを端的に示すシーンがジェリー(ブラッド・ピット)が韓国に行く事をカリン(ミレイユ・イーノス)に告げる所である。あろうことかジェリーはカリンとキスをする。これがゾンビ映画においてあり得ない展開もしくはバッドエンドを決定づける展開なのは『28週後…』でも示される通り。
ご丁寧に艦上での医療関係者の議論の中でのちに韓国であっさり消える「希望の星」が「全人類の5%は発症しない」というような事を喋ったりもしている。ここまで前フリを噛ましておいて、結局何もありませんでしたという結論で脚本が通ることはゾンビ映画としての認識が少しでもあるのならあり得ない。
どうも原作のマックス・ブルックスは脚本の執筆に関してはノータッチだったらしく、その結果としてこういった「不誠実」な結果になったのではないかと考える。
マーク・フォスターは落ち着いた作品に戻るべきである。この結論で十分ではないかと。
(2013.8.11 109シネマズグランベリーモール)
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