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[コメント] 永遠の0(2013/日)

ホームランと思ったらそこそこの外野フライだったという印象。
Master

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







原作未読。ウィキペディアに記載されているあらすじの内容を参考にしています。

ガッチャマン』で報われなかった白組の皆さんの仕事を始め、良く出来ている部分が少なくない作品であるとは思う。しかしながら、山崎貴監督特有の「うるさい演出」がかなり邪魔である。特にラストシーンの「カメラ目線・台詞繰り返し」に至っては究極に不快であった。観客を宮部久蔵(岡田准一)の思いに浸らせれば良いシーンで何をまたわざわざバカ丁寧に説明しているのか。それまでの2時間強の時間で何を描いてきたのか。観客に伝わっている自信がないなら監督降りろよと感じた次第である。

この他過去パートでは、全て台詞だけで説明する松乃(井上真央)救出にかかる景浦(新井浩文田中泯)の殴りこみエピソードも邪魔だった。一つの「裏エピソード」として入れたくなる気持ちはわかるが、もっと上手くやれと。「気が利いてるでしょ?」と思っているのかもしれないが、端的に言って無粋である。

あと、現代パートの展開を少しいじっているようだが、これもあまり良い効果は得ていないと思う。原作通り祖父が自分たちと血がつながっていないという事は既に知っていて、特攻隊=テロリストという認識に疑問を持って宮部の調査を始めるという流れの方が綺麗に収まったのではないか。こうすれば全くもってどうでもいいコンパのシーンやら佐伯健太郎(三浦春馬)の生活シーンをバッサリ切る事が可能で、すっきりすると思う。この現代パートをいかにコンパクトにするかが本作の肝であり、その観点からすると本作の切り込みはまだ甘い。

良いところは、三浦を除く役者全般。それと冒頭にも書いたVFX。あとお口直しとしてのスタッフロールにかかるサザンの「蛍」。上手い人を良い所に配しているので、見ていて印象が悪いということはないと思う。三浦も頑張っているとは思うが、他と比べると格下。普段から接する人を考えた方が良いのではないか。

推すほど出来は良くないが、貶すほど悪い出来でもない。その意味では面白みに欠ける作品であった。

(2013.12.22 109シネマズMM横浜)

(評価:★3)

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