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[コメント] 美しい星(2016/日)

伊余子(中嶋朋子)周りのエピソードが全体の邪魔をした感が否めない。要所要所に現れて、どっかと構えているキャラにした方が「母星」としての「地球人」感が強まったのではないか。
Master

**ネタバレ注意**
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原作未読です。

1つボタンを掛け違えれば、単なるおかしな一家のスラップスティックが出来上がる可能性も少なくないストーリーをそれこそ吉田監督の前作『紙の月』での宮沢りえ小林聡美による対決シーンへの集約同様に重一郎(リリー・フランキー)と黒木(佐々木蔵之助)の対決(ダイアログ)シーンへと集約させた力量はさすがと思う。

しかしながら、「いろいろな星人として「覚醒」した一家」という設定ならびに「地球(人間)は救うに値するのか」というテーマにおいて、伊余子がメインとなるマルチ商法のエピソードはあまりに浮いてしまっているように思う。彼女の家族を思う故の行動として示すことにより家族を「繋ぎ止める」存在として提示したいという事なのかもしれないが、そういう存在にしては「軽さ」を強調してしまっていて、効果的ではなかった。

それでも、中盤以降の重一郎の「決めポーズ」含め、吉田監督がやりたいようにやったのであろうという「充実感」がスクリーンから伝わって来て、それなりに楽しい気分になれた。本作に関してはそれで十分なのではないかと思う。

(2017.5.26 シネプラザサントムーン)

(評価:★3)

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