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[コメント] イングロリアス・バスターズ(2009/米=独)

3だけど3.5といったところ。いつものタランティーノ節で派手さはなく渋好み。
MSRkb

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







 ボンクラ/シネフィル的元ネタ云々を抜かすと、一貫して「若向け」の映画に背を向けている感があるタランティーノ先生だが、あー、というかボンクラ/シネフィル成分もおっさん向けではあるか、ともかく今回は渋かった。激シブ。いくらでも熱く盛り上がれそうなところで、さっと、あっさり身を引くその肩すかしっぷりも年季が入ってきた。決してアンチクライマックスではないんだが、ベタなクライマックスにする気は、昔からないのだろう。

 とにかく、ユダヤ人ヒロインとドイツ人青年の完膚無きまでの断絶→おもしろギミック武器での襲撃→最期の自主映画で皆殺し宣言→大殺戮→大爆発までの怒濤の流れは最高すぎで、それでいて余韻を与える一拍も措かずに流すというのは、おいそれとできることではない。

 あと、ヒロインパートはいわゆる「映画についての映画」で……いや、最高だよね……復讐するよ! あんたとあたしで! それで映画撮んのよ! 奴らに見せてやんのよ! ってとこはさ……あれ、高校や大学で自主映画サークルとかやってたボンクラ男子の夢だよね……綺麗でかっこいい女の子にさ……これ、『あどりぶシネ倶楽部』だよね……。

 まあそれはともかく。個人的には、タランティーノの映画は「よく行く喫茶店に話好きのおっさん(何の職に就いてるのかはよくわからない)がいて、コーヒー飲みながらダラーっと面白い話を聞かせてくれる」的なノリで見てるので、今回も楽しかった。やっぱベースが「話」の人だと思う。「絵」をあっさり切ることにはあまり躊躇しないというか。

 そんなわけなのでタランティーノさんの楽しいお話をこれからも聞きたいです。

(評価:★3)

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