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[コメント] パフューム ある人殺しの物語(2006/独=仏=スペイン)

もし私が原作者なら、この映画の監督をぶん殴っているような気がする。
代参の男

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







始まりから殺人を重ねて行くところまではどんどん話の中へ引き寄せる力があった。

特に、イントロの魚市場の描写など、おおっ!と思わせるぐらい「におい」を感じるし、産み落としの壮絶さはその後の展開を期待させるものがあった。

しかしねぇ、後半はなんか「????」の連続だったな。竜頭蛇尾、羊頭狗肉とはこのことか。死刑場で、怒りに燃えた群衆が、香り一つでコトを始めてしまう必然性が感じられないのよ。まぁ、ただの香水ではないので、そんだけのモノといってしまえばそれまでだが、たぶん原作ではもっと深く書き込まれているんだと思うが、何か納得いかなかったなぁ。

この場面が、主人公の土壇場での妄想で、ふと我に返るとやっぱり自分は十字架につながれて、周りは怒りに燃えた群衆で、死刑は予定通り執り行われ、処刑後に懐から例の究極の香水がぽろりと出てきて、なんて展開だったら面白かったのになんて思ってしまった。

原作者は、この男の物語を通じて何らかの世界と主張があるのだろうが、この映画を見る限りでは「何それ」で終わってしまった。人に勧めるかと問われれば、勧めない方に一票入れる、そんな映画だった。

(評価:★3)

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このコメントを気に入った人達 (4 人)YO--CHAN[*] わっこ[*] 牛乳瓶[*] ジェリー[*]

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