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[コメント] 第9地区(2009/米=ニュージーランド)

生理的にエビとかゴキブリとかムシとかダメな人は決して一人では見ないでください。 が、しかし...
代参の男

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







この映画のSFとしての「着想」は満点モノ!

CGがうまくできる時代だからこそ、このリアリティが生きている。また、なんといっても南アフリカの現実がこの映画のエッセンスとなっている。これが舞台がニューヨークなんぞだったら、評価はずーっと低い。 我々はアパルトヘイトだった国の犯罪率最悪の都市で撮られた、という事実にまずノックアウトされているのである。 なんで、あんな巨大なUFOが?なんであんなビル街の真上に?と思っているうちに、ドキュメンタリータッチの導入部から始まって、もはやこの映画の世界に引き込まれて脱出できない観客のひとりとなってしまうのだ。

それにしても、グロテスクな画面のオンパレードである。エイリアンの造形、殺戮風景、どれをとっても気色悪いこと最悪レベルである。 それなのに、「スターシップトゥルーパーズ」のエイリアンは、ぶっ殺しても何とも感じないテイストがあるが、この映画のエイリアンに対して、醜悪な奴なんだが、アンタそんなにぶっ殺してええんかい?とひそかに感情移入してしまう不思議な感覚がある。

つくづく思うが、この映画は人類の醜悪さを鏡のように提示してくれる。実際に。本当にこんな感じでエイリアンがやって来たら、同じようにとっつかまえて人体解剖して、研究という名目のもとに非道なことを人類はやっちまうに違いない。

結論!このテのSF映画は画面から「おおっ!」といわせたものが勝ち!そういう意味で、すごく気色悪くて気持ち悪いが満点を差し上げます。

(評価:★5)

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