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[コメント] リトル・ダンサー(2000/英)

きわめて冷静な「情熱」
代参の男

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







この映画、評価が高かったので見てみたが素直に点数は高い。 「俺たちには未来は無いが、あいつには未来がある。」 このセリフにグッとくるかどうかが評価の分かれ目。

普段はガミガミうるさく、やれ勉強しろだの、テレビ見るなだの、早く起きろだの、早く寝ろだの、親ってのは子供にとって、ともすれば自由を束縛する迷惑千万な存在に思えてしまう時があった。

が、しかし、愚かな子供たちを持ってみてわかる、親の情の深さよ。

象徴的なのが主人公がバレエのレッスンをやめろと言われて、走り逃げていくとそこは袋小路だった。そして、場面はいきなり冬へと変わる所。それと、親父が自宅の四方をレンガの壁で囲まれた中庭で、亡き妻が大事にしていたピアノを叩き壊して暖炉の薪にする所。 なんか、スト中の労働階級の閉塞感と絶望感が伝わってきた。

その中で上記のセリフ。

子供は親にとっていつの時代でも、これからの「希望」である。

それに気づくのにどれだけの時間がかかったことか。

もう一つ。 父ちゃん、兄ちゃん、ばあちゃん、そして死んだおっかさん。自分を含めそれぞれの間で情愛はあるのだけれど、なんか冷めててきわめて英国流。

(評価:★4)

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