[コメント] おくりびと(2008/日)
映画を見終った人むけのレビューです。
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あくまでも納棺師の主人公の心情や納棺師の仕事そのものが主題で、周囲の人物の造形を掘り下げる話ではない、ていうのはわかります。主題自体はよく描けてたと思うし、映像もきれいだったし、★5にしたいんですけど、どうしても妻が気になって……。
広末の演技は最初はそこまで気にならなかったんです。 今風ながらもやさしい妻って設定なんだろうなぁ、て思ったから。 でも「汚らわしい!」って叫ぶところで、「え、そういうキャラなの?」と。「なんとなく嫌」という程度なら違和感ないですが。
まず、あそこまで嫌悪感持つ潔癖だったら、鳥の首見て平然としてないと思います。妻が鳥の頭を気持ち悪いと思う描写があれば違和感はなかったと思います。でも、それやっちゃうと主人公の拒否反応が活きないだろうから、そうしたほうがよかった、という気はないです。
主人公の旧友はいかにも「なんとなく嫌だ」と差別する形で、仕事現場を見て(身内のっていうのもあるんだけど)なんとなく解決するのは、前後が対応しているなと感じました。妻は真っ向から「汚らわしい!」とまで言ったのに、仕事現場を見てなんとなく解決しました、っていうのは展開として弱すぎる。あそこまでやったなら、もう少し説明や展開が欲しかった。 また、納棺師という職業が差別される、っていう展開が欲しかったのもわかるんですけど、そういうシーンは他にもあるし、別に妻までそういう要員にしなくても……と思いました。
妻の行動に納得できなかったため、最後まで妻が主人公についてくるのが、どうも目につくというか、変に気になって……。
演技力がある女優さんなら、これだけの要素でもキャラ作りができたのかもしれませんが、広末の演技を見てるともう少し何か欲しいなぁ、と。広末の演技自体はそこまで否定する気はないのですが、彼女自体が脚本とあってなかったのでは……。 前半にあった、死⇔生→性みたいなところは「妻、いいじゃん!」と思ったんですけどね……。
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