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[コメント] ツレがうつになりまして。(2011/日)

宮崎あおいのゆるいアート系な妻の雰囲気がとてもいい。逆に堺雅人の演技は映画の内容と合ってなかった。鬱病を真面目に説明するストーリーなのに、鬱病の人を誇張した演技で笑いを取ろうとしてて、ところどころ不愉快になるシーンがあった。コメディ要素を入れたのはわかるけど、こういう方向の笑いならないほうがよかった。
agulii

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







宮崎あおい演じる妻がファッションとか、部屋のインテリアなども含めて、しっかりキャラクター付けされており、宮崎あおいの雰囲気とあっているのもあり、そこだけである程度満足できた。

堺雅人の演技は鬱病の人を誇張して、コメディ要素を取り入れようとしている。それが通じるのは鬱病がテーマでない映画であって、鬱病がテーマである作品でやられると、テーマと真面目に向き合ってないように感じる。

原作は本人にとっては深刻なことが、妻の視点からは面白く感じる、という話だった。誰から見ても鬱病の夫が面白いわけではなく、妻のちょっと不思議な発想が小さな笑いを生む。そのことが夫への励ましのようなものになっていき、この夫婦独自の絆を感じさせてくれるところが魅力だった。 対して、映画は妻の視点を通さずに直接的に面白く感じさせようとしている。別に鬱病の人は誰から見ても面白いわけではない。たとえ変な行動に見えたとしても、笑えるのは夫婦の信頼関係があるからであって、赤の他人(観客)が笑ったら失礼だ、と複雑な気分にさせられた。 原作をなぞったストーリーにするなら、妻視点で見ると面白い、っていう前提は崩すべきではなかった。

ストーリーに関しては、最初に鬱病になる前の夫を入れて、鬱病になる前はこうだったと観客に知らせて欲しかった。終盤はダレたので、鬱病の本の出版を決心し、教会の集まりでスピーチする、くらいにスリムにしてくれたほうがよかった。

まったり見るのにはまぁ向いていると思うので、★3

(評価:★3)

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