テレビ版で私が怒っていた点はほむらがまどかのためにやってきたことは、まどかに尽くす健気な行為だったのと同時に、他の人物を何度も見捨て続ける行為だったという点だ。 積極的に殺したりはしないし助けられたら助けたいと思ってたくらいは受け取れるけど、何度もタイプリープして、他の人の苦しむところを何度も見続けても結局決定的に心が動かされることはない。 世界を自分とまどかのためだけに利用しているにすぎない。

私個人としてはほむらは好きなキャラクターだし、愛した人を助けるためなら他の人はどうでもいい、という考えは歪んではいるが魅力的だと思う。 だが、それは手放しに肯定されてはいけないものだ。 テレビ版ではまどかに自分がやっていたことが伝わり感謝されるという安易とも思える救済に腹が立った。

なので、劇場版で、ほら！結局ほむらはまどかと自分以外どうでもいいと思ってる女なんだよ！！という負の面が描かれ溜飲が下がった。 ずっと抱いてきたモヤモヤが劇場版で晴れ、安易な解決を図らなかったという意味でも、 劇場でしかできなことをしてくれたという意味でも大評価だ。

前半のトリップムービーっぷりも素晴らしい。 また魔法少女変身シーンはセーラームーン以降は何を見てもセーラームーンを超えたものがなかったが、この作品は別軸の挑戦をしていてセーラームーン以降最も見るべき変身シーンだと思う。