巧みな構成、無駄のなく迫力を伝えるカメラワーク、そして音楽など、全ての映画的な要素が相乗効果をあげて、辛辣なテーマを十分すぎるほどに描き出す。文句なく面白かった。

しかし、こんなテーマを扱いながらも少なくはない興行収入を得る製作陣、アカデミー賞を受賞してしまう女優、そして何よりもソファに転がりながら何か理解した気になって面白がっている私自身も、とんでもない馬鹿なのではないかと不安になる。真面目なテーマを商業芸術「映画」で扱うことの限界を感じてしまう。★５つをつけるのが憚られるので、敢えて採点しない。偽善とでもナルシストとでも言いたければ言え。私は★５をつけない。