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[コメント] 天平の甍(1980/日)

 初めて映画館で観た熊井啓作品。鑑真和上を演じた田村高廣が素晴らしく、また和上を日本にお連れした名もなき若き僧たちの人生をかけた生き方に、当時中学生の僕も多いに感動した。
双葉三十郎

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







 この作品で仏教が元々日本のものでないことを知った。外国がアメリカだけでないようにだ。

 この仏教をどのようなかたちで日本に移植するか当時の若き精鋭たちが、文字通り我が人生をかけてぶつかっていく。その様は爽快でもあるが、ある意味孤独だ。

 鑑真和上の人生観、生活観が映画の中に如実に現れていて観ている方も気持ちいい。それにもっと、仏教の奥義を探るべく天竺(インド)へ行く草野大悟が素晴らしい。

 これだけスケールの大きい作品を描ける作家は日本にはそうそういない。そういった意味で熊井啓監督の死は惜しみても余りある。 

 合掌。

(評価:★4)

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