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[コメント] バンテージ・ポイント(2008/米)

この映画の売り文句だった8人の「視点」というのはつまり、
のらぞんざい

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







組織や人間関係における「立ち位置」のことであって、

文字通り見る「場所」だったり「方向」だったりでもなければ、

「どこをどう注意して見ているか」という問題でももちろんないんだと、

途中で気付いて、

そうか、勘違いしていたのは僕の方か、

じゃあもうお話はどうでもいいからデニス・クエイドのこの溢れんばかりの身体性を楽しもう、

と切り替えたのがなんとか間に合って3点。

フォレスト・ウィテカーのカメラは画面内画面としての面白さを発揮することもなく、

シガニー・ウィーバーが統率するカメラ群はその情報量で視点を複雑化するわけでもなく、

事件の舞台である広場を限定された空間として利用することもできただろうにそんなことはさっさと放棄、

狙撃という使い古されたギミックにさして目新しいアイデアを取り入れようとする姿勢もなし。

あんな安直で露骨であまりにもテレビドラマ的なリピートシステムを提示されて、

そこをこっちはあえて躊躇することなく飲み込んで、

「よし、のった!さあ、あとはお前の土俵だ、好きにやれい!」と

胸を貸してやったにも関わらず、この映画はそれ以上の遊戯性を示してくれることはない。

デ・パルマだったら、フィンチャーだったら、いやトニースコットですらまだ・・・

と考えてしまうのも無理はない。

脚本段階で力尽きたのか、カメラなんかにゃハナから興味ないのか知らんけど(言いすぎです)、

しかしこの映画、脚本が完成した時点でで映画作りのほとんどが終了してしまっている感が否めず、

なんというか、撮影段階で創意工夫を凝らした痕跡がちっとも見られない。

時系列を巧みに扱うことはそれはそれで創意工夫ではあるのだけど、

しかしそれをそのまま画面に映し出す姿勢を僕はよしとは思わない。

むしろあの「巻き戻し手法」の唐突で露骨な表現こそ、良くも悪くもMTV的な、

現代の映画表現だと思ったし、あれがアリならばもっと他のこともアリだろう、

もっと画面で遊べ、カメラを愛撫しろ、編集でただ狂え、・・・と、

より映画的な表現を僕は追い求めてしまった。何より、それができる題材だと思ったから。

それから結局かよ!という話なんですが、

脚本で完結してしまってると言った割には、

皆さんご指摘の通り言うほど脚本もうまくない。

フォレスト・ウィテカーのパートは正直ひどい。

(評価:★3)

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