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★3レディ・プレイヤー1(2018/米)ペンタゴン・ペーパーズ 最高機密文書』が俳優部の恐るべき充実によってスピルバーグ・ワークスの首位集団に身を置いた一方、これは際立った被写体の貧弱ぶりでブービーを争う。ベン・メンデルソーンマーク・ライランスサイモン・ペッグは、私が見た限りの出演作で最も退屈な芝居に終始している。 [review][投票(3)]
★4ダウンサイズ(2017/米)「ヒトの身の丈を四寸半に約める」という着想が秘める多様かつ膨大な発展可能性を追求しない按配に、この脚本・演出家の妙技を認めるべきなのだろう。しかし、これはやはりホン・チャウに尽きる。彼女とマット・デイモンのラブストーリーである限りで感動がある。小人の貧民窟も活気があってよい造型だ。[投票]
★4ワンダーストラック(2017/米)キャロル』監督の作としては何とも散漫な仕上がりだが、子役ひとつを見てもやっぱりアメリカ映画こそ世界一だと得心するには足る。アフロヘアっ子のジェイデン・マイケルがひたすら可愛く、ミリセント・シモンズの仏頂面と破顔の落差にも動揺する。オークス・フェグリーくん、あなたは髪を切りなさい。 [review][投票(1)]
★415時17分、パリ行き(2018/米)撮影は『チェンジリング』で幾度目かの頂点を迎えて以降緩み続けており、クリント・イーストウッド作品を徴づけてきたところの演出のストイシズムが衰え始めてからも久しい。が、それでも面白いのだから却って難儀である。取り留めないエセー風の文体ながら語彙選択の妙で語り切ってしまうところがある。 [review][投票(3)]
★4港町(2018/日=米)圧倒的な/に主演女優の映画だ。黒白画面もどこか現ならざる情趣を育むことにかけては有効だが、いかにも「ディジタル撮影・編集の機能としての黒白」な画調は審美的にはペケだろう。撮影者自身の声を排除しない傾向の推進は、ワイズマン教からの自主独立前進と凡俗な取材動画への鈍化との分水嶺にある。[投票]
★3FRANK フランク(2014/英=アイルランド)精神医学的見地にも目を配った『レニングラード・カウボーイズ・ゴー・アメリカ』シリアス風リメイク。というのはもちろん嘘八百だが、実際共通/類似点もある。鬼面人を驚かす奇抜なコスチューム。真剣かつギャグ的な演奏。音楽的成功を企んだアメリカ合衆国進出。彼の地で見舞われるバンド内トラブル。 [review][投票]
★4祖谷物語 おくのひと(2013/日)これにしてもかつかつの予算を何とか遣り繰りして撮り上げられたに違いないが、この恰幅のよさは貧乏臭い日本映画と一線を画す。ウェブ上で閲覧できる監督のインタヴューを何件か瞥見した限りでは影響源としてその名が挙げられているのを確認できなかったが、黒沢清的不穏が至るところに渦巻いてもいる。 [review][投票(1)]
★4劇場版ムーミン 南の海で楽しいバカンス(2014/フィンランド=仏)真顔のままギャグをぶち込むことにかけて、さすがにこのキャラクタたちは年季の入りが違う。その泰然たるギャグ者の風情はムーミン谷の住民でない客演キャラクタにまで波及し、殊にモンガガ侯爵による「私は象しか彫りません」宣言には抱腹を強いられる。その理由不詳の当然ぶりが一級の喜劇の徴である。[投票(1)]
★3西遊記2 妖怪の逆襲(2017/中国=香港)料簡が狭いことを云うようだが、(そう云えば『モンキー・マジック 孫悟空誕生』の牛魔王アーロン・クォックが続篇『西遊記 孫悟空vs白骨夫人』で孫悟空を演じていたのにも呆れたけど)前作『西遊記 はじまりのはじまり』の配役を軒並み替えてしまうというのはどういう料簡なのか。舐めてんのかしら。 [review][投票]
★4ミッドナイト・バス(2017/日)作中人物の過去に重きが置かれた物語でありながら、過去の象徴(山本未來の前姑、小西真奈美の前夫、七瀬公の前職、など)を周到に画面から排除することで、現在形の語りを貫いて長尺を乗り切っている。原田泰造には役者としての徳があり、「質問を許可しない」葵わかなが笑わせるなど小さな美点も多い。[投票(2)]
★4グレイテスト・ショーマン(2017/米)物語は「サーカス」の語が喚起する一般的なイメージであるところの巡業をほとんど等閑視し、もっぱら常設劇場を興行の前提としている。いわゆる「サーカス列車」で知られるP・T・バーナムを主人公に戴いているにもかかわらずである(むろんサーカス列車の創始は彼の後半生に属する出来事ではあるが)。 [review][投票(3)]
★3世界で一番いとしい君へ(2014/韓国)少年が患う難病は、作劇的には「身体機能が著しく低下し、余命が短い」だけで事足り、それが「若くして老いる」でなければならない必然性が薄弱だ。とは云え悪辣な映画ではまるでない。このところ珍しいカン・ドンウォンの朗らかな造型が好もしく、隣家の小父さんのような好人物の配置も心得者の仕事だ。[投票]
★4ブランカとギター弾き(2015/伊)ペーパー・ムーン』『都会のアリス』『グロリア』『パーフェクト ワールド』『セントラル・ステーション』など、私が「ふとしたことから見ず知らずの大人と子供が同道し、紆余曲折を経て情を通わせ合うに至る」説話を偏好していることは白状するが、これは大人と子供の反発が小さい点でむしろ珍かだ。 [review][投票(1)]
★4ディス/コネクト(2012/米)一見いかにも今様の話題を俎上に載せて頻りに映画の外側に目配せを送っているように思われ、ひょっと「脚本賞にふさわしい映画である」などと毀誉のいずれを企んでいるのかも不分明な評言を口走りそうになるけれども、実のところ演出家/脚本家は伝統的な「映画」の思考法でプロットの整理を図っている。 [review][投票]
★3マンハント(2017/中国)ジョン・ウーである。しかし、なんぼなんでもジョン・ウーすぎる。渡米後のジョン・ウー監督作では最もジョン・ウーではないか。生涯においてジョン・ウーのよき観客であった時間が一秒もない私にとっては苦笑いの固着も避けがたい作だが、ジョン・ウーがジョン・ウーの映画を撮れる世界は祝福に価する。[投票(1)]
★4オカルト(2008/日)単なる取材者=非当事者の限りで事件に関与するだけだったはずの白石晃士が、あれよあれよと物語の中心人物に昇進して怪異の核心に引き寄せられていく。実に都合よい展開だが、これを作劇の拙さとして軽んずるべきではない。この「都合のよさ」こそが神の御都合主義としてのオカルトにほかならないのだ。 [review][投票(1)]
★3ゲット・アウト(2017/米)物語の環境に似たところがあると云えばあるM・ナイト・シャマランヴィジット』と較べると、作中人物とりわけ主人公の魅力が著しく劣る。翻って、シャマランの脚本・演出における最も大きな取り柄とは(どうも見過ごされがちだが)魅力的なキャラクタを創造する技術である、と云うこともできるだろう。 [review][投票(3)]
★3バーフバリ 王の凱旋(2017/インド)腕力を大仰に表現すれば「アクション演出」は事足りる。と云いたいなら、それは救い難い心得違いだ。演出家が「映画」の現在的・瞬間的な事件性に背を向けていることは、過去の出来事が上映時間の過半を占める構成や高速度撮影の濫用からも明白である。これは、神話ではあってもアクション映画ではない。[投票]
★4おじいちゃんはデブゴン(2015/中国=香港)サモ・ハンの盟友たる大物たちが賑々しく画面を彩る傍ら、しれっとエディ・ポンまで招かれているのは微笑ましいが、この人の先輩映画人からの愛されぶりって何だろう。サモ・ハンの健在を示す「サモ・ハン is BACK!」二作は、一方で、ダンテ・ラムの絶好調と併せてエディ・ポン時代の到来を印象づける。 [review][投票]
★4真白の恋(2016/日)二〇一七年、佐藤みゆきに主演女優賞を、岩井堂聖子に助演女優賞を捧げない日本の映画賞には不信任案を提出してよい。貧しい語彙しか有しない主人公の簡素な台詞設計が佐藤の繊細極まる所作・表情操作と響き合って実現することで、諸感情の強度はただならぬ殺傷力に達する。撮影の奮闘ぶりにも好感する。 [review][投票]