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ジャッキー・ブラウン(1997/米) | 『レザボア・ドッグス』『パルプ・フィクション』より格段に撮影がよい。発砲の描き方もずっと気が利いているし、何よりパム・グリアーとロバート・フォースターの間に流れる空気をフィルムに写し取る演出力に震えた。ラストカットも同じく。 [review] | [投票] | |
ペイネ 愛の世界旅行(1974/仏=伊) | これは笑える。とても愉快な映画だ。この奇妙な味わいというか脱力感がどこまで意図的なものなのか私には判然しないのだが、それも含めて魅力的な作品だ。絵柄は単純かもしれないが、作画のレヴェルはけっこう高いのではないかと思う。背景の美術や空の質感表現なんて見事なもの。 [review] | [投票] | |
悲情城市(1989/台湾) | 厳密な構図のロングテイクが濃密な時間を描き出し、突発するアクションシーンに物語が躍動する。そして「写真撮影」が映画を切断しつつ持続させる。「写真」の一点において、ここでホウ・シャオシェンは小津の記憶を受け継ぎ、エドワード・ヤンと共鳴している。トニー・レオンの佇まいも忘れがたい。傑作。 | [投票] | |
暖簾(1958/日) | すばらしい。森繁久彌の好演が映画を支えていることは疑いないが、私はやっぱり中村鴈治郎に目がいってしまう。今わの際を演じる中村の凄みときたら! ほとんど全カットにわたる完璧な構図にも酔い痴れる。「風」のフィルムへの定着ぶりも感動的だ。 [review] | [投票] | |
LONDON CALLING ザ・ライフ・オブ・ジョー・ストラマー(2006/アイルランド=英) | 実によくまとめられている。これからジョー・ストラマーの生涯に触れてみようとする者にとっては最適のテクストになるだろう。 [review] | [投票] | |
人生は、奇跡の詩(2005/伊) | なんとも雑な映画だが幻想的な第一シーンに溢れる幸福感はただ事でない。トム・ウェイツの歌&笑顔なんてもう最高! そしてこれも「ニコレッタ・ブラスキ大好き!」という映画だ。その感情を余すところなくフィルムに転写できるという点で、やはりベニーニをただの平凡な演出家と侮ることはできない。 | [投票] | |
落穂拾い(2000/仏) | 社会問題を描いたドキュメンタリとして秀逸なのはもちろんで、それは絶妙のタイミングで映画に介入してくるアニエス・ヴァルダのパーソナリティあってこそのことなのだが、私はむしろ、登場する人々が皆ユーモアに富んだ愉快な人物ばかりであることに驚愕した。キャラクタ映画として見ても面白い。 | [投票] | |
犬の生活(1918/米) | (犬が地中の金を掘り出すところを除けば)実はこれ、犬なしでもほとんど成立する物語なのだが、犬がいなければ尻尾で太鼓を叩きつづけるなんていう素敵で無意味なシーンは生まれなかったのだから、やっぱりこれはこれでよいのだ。 | [投票] | |
担え銃(1918/米) | 意外とまともに戦争映画然としている。と思えるのは、塹壕内部の撮り方がよいから。俯瞰ショットがあればもっとよかったけど(『独裁者』ではしっかりと塹壕の俯瞰を入れています)。派手なスペクタクルは家屋倒壊ギャグぐらいだが、それもチャップリンらしいと云えばチャップリンらしい。 | [投票] | |
マウス・ハント(1998/米) | なかなか面白い。ハリウッドが偉いのは「この程度の娯楽映画」を綽々として作ることができるところだ。 [review] | [投票] | |
チャップリンの冒険(1917/米) | スラップスティック・パートの出来がよい。とりわけ前半はスピーディで、走るときにちゃんと砂埃を巻き上がらせているのも好印象。取り立ててどうこう云うほどのものではないが、じゅうぶんに水準を保った作品。 | [投票] | |
サイボーグでも大丈夫(2006/韓国) | 演出に一貫性が乏しい。いや、一貫性なんて必ずしもなくともよいのだが、ここでは一貫性のなさが映画の面白さにつながっていない。 [review] | [投票] | |
チャップリンの移民(1917/米) | だいぶバストショットの割合が多い。移民船到着のところで自由の女神のカットをしっかりと入れているのが偉いし、レストランを出ると大雨が降っているというのもよい。 | [投票] | |
チャップリンの霊泉(1917/米) | 終盤の乱痴気ダンスシーンは中央に階段が据えられており、奥行きと高低を使ったとても見応えのある画面。回転ドアから出られないチャップリンが車椅子のエリック・キャンベルに体当たり、キャンベルが泉に落下するというショットの構図もよい。この年のチャップリン作品は画面設計に顕著な進歩が認められる。 | [投票] | |
チャップリンの勇敢(1917/米) | ここまでエリック・キャンベルが大暴れする作品は意外と珍しいのかもしれない。乱闘シーンは迫力じゅうぶん。単純な勧善懲悪の物語のはずなのだが微妙にねじれた印象を残すのはチャップリンが警官だからか、悪者のぶちのめしに容赦がないからか。 | [投票] | |
チャップリンの替玉(1916/米) | 期待したほどにエスカレータがギャグとして機能せず、バスター・キートンの『電気屋敷』とは比べ物にならない。あの大天才の、しかも本作より六年も後の作品と比べるのは酷だけれど、チャップリンとキートンにおけるギャグのあり方の違いは見て取れる。 | [投票] | |
チャップリンの番頭(1916/米) | この頃のチャップリンは本当にすぐ無用な暴力をふるう。映画においては暴力に必要性がなければならないなんてことはないし、必要性のない暴力のほうがかえって面白いということもあるだろう。しかし、この映画の描き方ではチャップリンはただの嫌な奴ではないか。まあそれも間違ってはないんだけど。 | [投票] | |
チャップリンのスケート(1916/米) | 前半のレストランの扉のギャグはカッティングで見せるギャグ。スケートの追いかけっこは面白いが、追いかける側の人数がもっと多ければさらに迫力や荒唐無稽さが出たはず。うまいけど、突き抜けたものがない。 | [投票] | |
ティム・バートンのコープス・ブライド(2005/英) | 風の表現―風をはらむウェディング・ドレス、蝶の群れ―が抜群にすばらしい。ドレスの「白」を引き立たせる(地上シーンの)暗色中心の色彩設計もよい。キャラクタの躍動感の有無や音楽・色彩を使い分けて死者の世界と生者の世界を対比的に語る話術にも隙がない。非常に完成度が高い映画。 | [投票] | |
チャーリーとチョコレート工場(2005/米=英) | 今までのバートン作品の中ではダニー・エルフマンの貢献度が最も高く、それはバートンの演出力の相対的な低下を示してもいる。ディープ・ロイに頼りすぎている面も否定できない。とは云い条、じゅうぶんに魅力的で面白い作品。 [review] | [投票] |