[コメント] 光る眼(1995/米)
集団失神の場が明確に地理的に(文字通りに!)線引きされるなど、やはり序盤の謎が面白い。不気味っ子の頭領が思ったことを全部口にするなど微笑ましい面も多いが、クリストファー・リーヴの切羽詰まった顔が状況の恐怖を最低限保証する。カースティ・アレイのジーナ・ローランズ的ふてぶてしさもいい。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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リーヴやリンダ・コズラウスキーの伴侶が亡き者にされるなど、この映画における「ペア」はことごとく欠損させられてゆく。そもそもの恐怖は父の生物学的な介在なしに子が産まれることにあり、物語は不可侵であるはずの生命の神秘・ペアの概念を揺さぶりにかかる。しかし産まれてくる不気味っ子たちもまたペアとして存在を設計されているらしい。あらかじめ「配偶者」を欠いて産まれてしまったコズラウスキーの男児ははぐれ者として「制度」の外側に追いやられる。ゆえに、映画はそこに可能性を求めるだろう。アウトサイダーに侵食される恐怖、インサイドをめぐる攻防を描きつつ、アウトサイダーの在り方にも希望を見出すジョン・カーペンターは公平である。
いかにもカーペンターらしい音楽も上出来で、むしろいつもより水準が高くないかしら。と思ってクレジットを確認するとデイヴ・デイヴィス(キンクス)!
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