[コメント] 東京物語(1953/日)
どうしようもなく胸を引き裂かれる。小津における「物語」の最高到達点。
小津の映画は一作ごとに進化を続けた。その意味で小津の「映画」の最高到達点は『秋刀魚の味』だが、こと「物語」に限れば、やはりこの作品の強度に勝るものはないのではないだろうか。すべての画面・台詞・身振り・音楽、それに説話的省略までもが「物語」を、即ち残酷なまでに鋭い人間論を形成している。そして、それらすべてが私たちに自身の人生と対峙することを強いる。私はこれほど現代的な映画をほかに知らない。
(評価:
)投票
このコメントを気に入った人達 (5 人) | [*] [*] [*] |
コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。