[コメント] アンダーカヴァー(2007/米)
活劇としてもドラマとしても最高水準。すべてのカットにアイデアがあり、映画をかたちづくるあらゆる要素が適切に按配されている。またホアキン・フェニックスがすばらしすぎる。演技者としてというよりも、鈍重な身体をよれよれと引きずる生々しい一個の被写体として。つまりは「存在」として。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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フェニックスの潜入操作。雨中のカーチェイス。葦原での銃撃戦。これらのシーンの突出についてはおそらく誰の目にも明らかだろう。それは、それらのシーンにおいて画面および音響設計の充実ぶりが最高潮に達しているからだ。「視界の悪さ」を活劇性に結びつけることにきわめて首尾よく成功している、と云ってもよい。ここで視界の悪さとは云うまでもなく、夜の暗さや雨や背の高い葦の群れや煙がもたらしているものだ。そしてめくるめくようなカッティングに目は釘付けにされる。すばらしい緊張感と興奮と、さらにはある種の恍惚を覚える。これが「映画」のど真ん中だ。
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