[コメント] タバコ・ロード(1941/米)
常軌を逸した狂騒コメディ。なのだが、これはフォードの映画なのだから当然ただそれだけのわけはない。コメディの体裁をとっているので一見表立ってはいないが、たとえばここでの「家族の崩壊」は『怒りの葡萄』におけるよりもよほど深刻に捉えられているのではないか。
そうは云っても、やはり私はとにかく笑えるコメディとしてこの映画を愛したい。のべつ歌っているマージョリー・ランボー。野生児のようなジーン・ティアニー。ウォード・ボンドまでもが無茶苦茶なキャラクタを演じている。だが最も強烈なのはクラクション狂いのウィリアム・トレイシーだろう。なにしろ彼がクラクションに拘泥する理由がこちらにはまったく分からないのだから。また「俺以外には誰にも運転させない」と云うわりに自動車を大事にしているふうはまったくなく、自分は嬉々として荒々しいカーアクションを繰り広げている。このあたりのノリはほとんどマルクス兄弟だ。
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