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[コメント] マチェーテ(2010/米)

ロドリゲスの強みはメキシコを内なるものとして扱える出自にあることを今更ながらに理解する。ここで「メキシコ」および「米墨国境」自体が映画的な何かであることについての説明は試みないが、メキシコを憧れの地として見ることができてしまうペキンパー的な対メキシコ距離感を彼は持たないということ。
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**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







ジェフ・フェイヒーロバート・デ・ニーロスティーヴン・セガールドン・ジョンソンがそれぞれベクトルを違えた魅力的な悪役を造型している。デ・ニーロはフェイヒーの傀儡にすぎないのかと思わせておきながら、変わり身の早さを見せて銃撃戦にまで参加してしまうあたりの軽さが好ましく、大したアクションを披露しないセガールも生来の悪役顔を活かして存在感は大きい。ジョンソンはほとんどギャグに絡まないこともあって、とりわけシリアスに怖さを感じさせるキャラクタをよく演じている。

女優で最も株を上げたのはジェシカ・アルバか。表情=感情=行動の振れ幅が最も大きいという点で元々おいしい役どころだけれども。ミシェル・ロドリゲスももちろんよいが、タイプキャスト気味というか、役にはまりすぎたところがあって驚きは大きくない。ただし、彼女がアイパッチ姿で再登場する瞬間は全篇でもいちばん燃えるところでもある。リンジー・ローハンは嬉々として自虐を演じているという風でもないので、やっぱりちょっとかわいそうな扱いかしら。

(評価:★4)

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