コメンテータ
ランキング
HELP

[コメント] 人生万歳!(2009/米)

エヴァン・レイチェル・ウッドがここまでやるとは思わなんだ。ラリー・デヴィッドウディ・アレンの自作自演キャラクタよりも攻撃的で可愛げもないが、ウッドがそれをすべて受け止めてみせるから映画は丸く収まる。その女性像に男性目線からのある種の理想化が紛れ込んでいることは否めないにしてもだ。
3819695

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







一定のリズムのバストショット切り返しからなる会話シーン。特定のショットだけサイズを変えて(アップ気味にして)撮ることで、驚きや動揺など被写体の感情を画面化する。むろん基本的な演出であるが、ここにおいてそのシンプリシティがもたらす効果はことのほか大きい。アレンはいよいよこれ見よがしの技巧から離れて、ますます自由自在に映画を作っている。

デヴィッド・フィンチャー作品における暗黒やガス・ヴァン・サント作品における冷ややかな透明感の印象が強いハリス・サヴィデスが、ここでは人肌のような温もりを画面に宿している。煉瓦が剥き出しの住居でさえも「暖かい」。ハッピー・エンディングは初めから約束されている。

(評価:★4)

投票

このコメントを気に入った人達 (3 人)DSCH[*] ナッシュ13[*] けにろん[*]

コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。