[コメント] SOMEWHERE(2010/米)
私の人生とは何の関わり合いもない映画だ。相変わらず「美少女への執心」が映画の原動力だが、対象少女の低年齢化および彼女へ注がれる視線におっさんのフィルタをかけるあたりが新機軸。しかしそのフィルタは穴だらけのザルで、ソフィア・コッポラがだだ漏れだ。だから、確かに彼女は「作家」である。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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新機軸と云えば、コッポラお気に入りの既成ポップソングをシーンに貼りつけるというBGM使用法を取り止めたのも一応そうか。ここでは、ポールダンスしかりギター演奏ゲームしかり、ほぼすべての音楽が物語世界内に音源を持っている。それによって純粋なBGMとしてストロークス“I'll Try Anything Once”(“You Only Live Once”のデモ)が鳴らされる例外的シーン、すなわちスティーヴン・ドーフとエル・ファニングがプール遊びに興じるシーンがひときわ鮮烈な印象を与えるという効果は確かにある(終盤ドーフの自動車走行シーンもBGMを伴うが、それは歌曲ではない)。
また、ファースト・シーンに全篇を集約的に象徴させる仕方にしても「巧い」のかもしれない。ホテルの呪縛から自らを解き放つことで終えるこの映画は「ロード・ムーヴィが始まるまで」の映画だとも云えるだろう。しかし私はそんなことに興味を持てない。もっと野蛮に、堂々とロード・ムーヴィを撮ればよい。
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