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[コメント] レイルウェイ 運命の旅路(2013/豪=英)

結婚した途端豹変するコリン・ファース。新妻ニコール・キッドマンには原因が判らないのだが、それでも彼を支えよう救おうと奮闘する。その健気で一途な献身ぶりが感動的ではあるのだけど、ここはひとつ「愛した夫は人でなしだった?!」という『断崖』的不安も盛り込んでサスペンスを煽りたいところだ。
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**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
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ファースの「赦し」が納得性を持って迫って来ないというのは見過ごせない瑕疵だ。これを「映画らしい飛躍だ」と擁護するには、「赦し」の前提となるファースの「復讐心」にやはり納得感が乏しい。作り手にとっては自明らしい作中人物の感情を、観客は(少なくとも私は)朧げにしか受け取れない。要するに、ここでも問題なのはサスペンスの不足、ファースと真田広之の対峙におけるそれである。取り立ててこの作品に限らない一般論として云うが、この種の症状は脚本家/原作者に対する演出家の敗北から生ずる。

(評価:★3)

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このコメントを気に入った人達 (1 人)死ぬまでシネマ

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