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[コメント] すべてが狂ってる(1960/日)

まず『すべてが狂ってる』という身も蓋もない題にのけぞるが、原作小説は『ハイティーン情婦』というそうだからこちらのほうがよりパンチが効いている。てかハイティーン情婦て! などというのはむろん「映画」とはまったく関係ない事柄で、女優の趣味がよい監督の映画はそれだけで楽しいなあ。
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**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







禰津良子中川姿子もとても現代的な美人だ。川地民夫の気持ち悪さを補ってさらにお釣りが来るほど魅力的。

恥ずかしながら私はこの映画を見るまで萩原泉という撮影者を知らなかったのだけれども、ここでの彼はアンリ・ドカエの多くの仕事に匹敵していると云っても云い過ぎではないと思える。とりわけ鮮烈な撮影を三つほど挙げるならば、冒頭の交差点の望遠俯瞰。中川・芦田伸介・川地・奈良岡朋子が一堂に会する修羅場での超ローの切り返し。中川の階段落ち〜その現場近くを通りかかる芦田〜さらにその脇を走り抜ける川地と禰津の車、というワンカット撮影。といったところか。「遊園地を面白く撮った映画は全部傑作」という私の持説を裏付けてくれる映画でもある。

(評価:★4)

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