コメンテータ
ランキング
HELP

[コメント] 上意討ち 拝領妻始末(1967/日)

「論理的なるもの」(条理)と「非論理的なるもの」(不条理)との往還に振り回される形で作中人物の行動および物語は繰り広げられる。『切腹』同様その作劇術は見事だが、この映画の命と呼ぶにふさわしいのはむしろその画調だ。
3819695

単純明快な物語をフラッシュバック内フラッシュバック(+ストップモーション)やエモーションを捏造する無粋なズーミング、極端な俯瞰撮影で飾り立てるという演出の方向性は如何なものかと思うが、クールかつ端麗な画調が映画に「名作」の相貌を纏わせている。

他にも、三船敏郎司葉子の演技がキャラクタに納得性を与えられていない。ふたつの殺陣シーンにおいて屋敷と荒野という魅力的な空間を活かしきれていない。などの問題もあるけれども、総体としてはよくできた映画だと思う。

(評価:★3)

投票

このコメントを気に入った人達 (2 人)ナム太郎[*] けにろん[*]

コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。