収容所内では、スティーヴ・マックィーンがイモ焼酎を作るシーンとそれに続く独立記念日を祝うシーンが印象的。こういったある種の無駄を魅力的に演出できるのならスタージェスも捨てたものじゃないし、上映時間の長さも許せてしまう。

脱走後はカットバックの映画。五組から六組のキャラクタのエピソードを並行的に進めながら観客に混乱を与えず、もっぱら緊張感を高めることに成功しているのは見事だ。

そういったわけで「いや、いいんだけどね、この題材とキャストならもっともっと面白くできるだろうと。ああ、これをアルドリッチが演出していたらなあ」なんて野暮なことを云うのも控えよう。